「うれしい」何度も 比残留日本人2世 ノルマさん初来県


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初めて父の故郷沖縄を訪れ、親戚と喜び合う残留日本人2世の知念ノルマさん(左)=19日、那覇空港

 フィリピン残留日本人2世の知念ノルマさん(71)が19日、初来県した。戦前フィリピンに移住、戦中の混乱で行方不明になった父・知念常保(じょうほ)さん(故人)が津堅島出身と判明し、来県が実現した。車いすで現れたノルマさんを、いとこの冨里元太郎さん(55)とはとこの幸良(こうら)健隆さん(30)が出迎えた。

ノルマさんは2人を見るなり「うれしい、うれしい」とタガログ語で繰り返し、涙を拭って固く抱き合った。20日は津堅に渡り、父のきょうだいと対面、墓参りをする。
 日本財団がフィリピン日系人リーガルサポートセンターと共同で実施する国籍回復事業で来日した。父の死で無国籍となって生きてきたノルマさんは、国籍回復を目指している。会見では「親族に会えるとは思っていなかった。父にも生きて会いたかった。墓参りをしたい」と話した。いとこの冨里さんは「沖縄の言葉で、ノルマネーネーと呼ばせて」と語り掛け、ノルマさんは笑顔を見せた。
 同事業では、これまで日本人2世21人の戸籍を回復したが、まだ190人ほどが残されている。