【キラリ大地で】ロサンゼルス・平野るみこさん


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ビバリーヒルズ市の高級宝石店「ヴァンクリーフ&アーペル」に勤務する平野るみこさん

 沖縄という小さな島が他県の人を引きつけてやまない最大の理由は、人との触れ合いを大事にする心が島中にあふれているからだろう。そんな沖縄の人特有ともいえる底抜けに明るい性格と常に人を思いやる心の深さでロサンゼルス在住のウチナンチューたちから慕われているのが平野るみこさん(48)=嘉手納町出身=だ。
 19歳の時に家族でロサンゼルスに移住。23歳で結婚、出産した後、27歳で離婚した。「あなたの明るさは接客業向き。やってみたら」と知人に勧められ、ホノルルで開店準備を進めていた「カルティエ」で宝石畑でのキャリアの第一歩を踏み出した。「新しい土地で心機一転したかった」。ハワイの日系ラジオ局KZOOでアナウンサーをしている叔父、大西勇さんの所に居候しながら、宝石に関する知識を身に付けようと必死に勉強した。
 宝石を選ぶ時に大事なことは、まずは似合うかどうか。そして、高いものだからと気を張ることなく、リラックスした気分で身に付けていられるかどうかをポイントに、客に納得してもらえるものをじっくり探すという。
 顧客の側に立った親身なアドバイスと業績の良さが評価され、1991年にカルティエ・ビバリーヒルズ店へ。10年間勤めた後、クリスチャン・ディオール、ミミソーと高級店を渡り歩き、昨年7月には準ミスユニバースに選ばれた知花くららさんの祝賀会も同店で開催。現在は、セレブ御用達の高級店「ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef&Arpels)」で、これまでに培った経験と明るい魅力を発揮している。
 笑顔と面倒見のいい性格で周囲の人々から慕われているが、心臓弁膜症でこれまでに何度か大きな手術を経験してきた。救急車で担ぎ込まれたこともあった。
 3年前、ロサンゼルス市警察でメカニックとして勤務するサムさんと再婚。休日には、2人で小旅行を楽しんだり、友人にプレゼントする指輪やネックレスなどのデザインをして過ごす。「宝石が自分の魅力をもっと引き出すということを自覚して身に着けている人が自信にあふれているように、家族やたくさんの友人たちとの出会いに感謝することで幸せももっと大きく感じられる。離婚してつらい時期もあったけど、最愛の人にも巡り合えた。幸せでいっぱいの毎日に感謝している」。平野さんは、笑顔で語った。
(平安名純代通信員)