西表漂着ポスト 宮城・南三陸町に帰郷 地域挙げ出迎え


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パレード車に乗って歌津の人々に出迎えられる郵便ポスト=11日、宮城県南三陸町歌津地区(石垣市役所提供)

 【西表島=竹富】東日本大震災による大津波で宮城県南三陸町歌津地区から流され、竹富町西表島に漂着した郵便ポストが11日、2年5カ月ぶりに同町歌津地区に里帰りした。地元では「あげぇポストのたびまつり」が開催され、歌津の人々がパレード車に乗ったポストを出迎えた。

 ポストは大津波から1年9カ月間も海を漂い、昨年12月28日に西表島の砂浜で発見された。歌津と西表島の直線距離は約2400キロ。どのようなルートで西表島に漂着したのかは不明だ。
 ポストを出迎える「あげぇポストのたびまつり」は八重山出身のBEGIN(ビギン)が発起人となって開催した。ビギンは歌津の子どもたちの作文を基に作った曲「歌津さきてけさい」を披露。来場者と一緒に踊り、フィナーレを飾った。
 石垣市、竹富町の関係団体は「チーム八重山」を結成して参加し、パインや八重山そばを振る舞って盛り上げた。
 参加した石垣市職員によると、人々の暮らしが脈々と息づいていたあの日を思い、ポストを眺めながら涙する町民もいたという。