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【伊江】「島の小学校の先生になりたい」。東京出身で日本大学2年の植田千成美さん(19)が、2日から13日までの2週間、伊江小学校(玉城洋之校長)でボランティア学習支援員として来村している。
東日本大震災が起きた2011年3月11日を、修学旅行で訪れていた同村で過ごした植田さん。予期せぬ事態に温かく迎え入れた島の人たちに感動し「(今回の支援員は)迷いなく伊江島を選んだ」と話す。
震災当日、植田さんは都立駒場高校の修学旅行で沖縄を訪れ、自ら20人の希望者を募り「日帰り民家体験」として来村していた。離村直前に震災が発生し、乗船予定のフェリーが欠航。来島した生徒と引率職員らは、受け入れ民家に宿泊した。
植田さんは、東京に帰った後も、着の身着のままだった自分たちを温かく迎えた伊江島の教育現場で学びたいと思い続けてきた。当時の受け入れ民家だった比嘉ナエ子さんに手紙でつづっていたという。植田さんの思いを知った比嘉さんが村教育委員会に申し入れ、ボランティア支援が実現した。
植田さんは「東京は時間に追われる生活だ。島は自分で時間を動かしていることを実感した。児童一人一人と関わり、個性の伸ばし方やその喜びを学んだ。伊江島は初心に戻れる場所。皆さんとの出会いに感謝する」と話した。
当時同様、植田さんに滞在先を提供している比嘉さんは「この経験を心の栄養に、すてきな社会の一員として活躍してほしい」と話した。
(中川廣江通信員)