豊作祈願 舞鮮やか 多良間で八月踊り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
組踊「忠臣仲宗根豊見親組」で与那国の首長・鬼虎を討伐し、がいせんする仲宗根豊見親ら=12日、多良間村仲筋

 【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間村の豊年祭「八月踊り」が旧暦8月8日の12日、始まった。

14日までの日程で仲筋・塩川両地域で数々の組踊や狂言が行われる。初日は同村仲筋の土原(んたばる)御願所で組踊「忠臣仲宗根豊見親組」や「忠孝婦人」(大川敵討)など26演目が披露された。
 忠臣―は16世紀に仲宗根豊見親が与那国の首長・鬼虎を討伐する物語。美人姉妹の姉・オーガマを演じた嘉味田理恵さん(多良間中3年)は「姉妹を3年連続で演じた。来年は高校進学のため出られないが、後輩にも先人の技を受け継いで頑張ってほしい」と語った。
 八月踊りは人頭税の皆納を祝い、翌年の豊作を祈願したのが始まりとされる。13日は同村塩川のピトゥマタ御願所で、最終日の14日は「ワカレ」と称し両地域で芸能を奉納する。