西表干立と祖納で「節祭」 「オホホ」に観衆あはは


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 【西表島=竹富】国の重要無形文化財に指定されている竹富町西表島祖納、干立の「節祭(シチ)」が1日、両集落で行われた。節祭は「農民の正月」と呼ばれ、500年以上続いている農耕の神行事。地域住民は奉納芸能などで五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を祈願した。

 干立では、伝統衣装に身を包んだ女性が航海の無事を祈る踊り「櫂の手(ヤフヌティ)」を浜で踊った後、男性が東西に分かれて競争する「舟こぎ(パーリャ)」が行われた。
 御嶽前の広場では狂言や棒術を次々と披露。札束をばらまきながら女性を誘うしぐさを見せる神「オホホ」も登場し、ひょうきんな動きで見物客を笑わせた。
 祖納では、前泊海岸に2隻の舟を海に浮かべる「舟浮かべの儀式」の後、ミリク(弥勒)行列や黒装束の女性だけで執り行われるアンガー行列が奉納された。

ひょうきんな動きで笑いを誘う干立独特の神「オホホ」=1日、竹富町西表島の干立御嶽
黒装束をまとった女性が浜を練り歩くアンガー行列=1日、竹富町西表島の前泊海岸