泥に歓声、泣き声 宮古島市でパーントゥ


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<島尻のパーントゥ・プナハ>幼児を抱えるパーントゥ。幼児は驚き、泣く寸前=6日、宮古島市平良島尻

 【宮古島】宮古島市平良島尻の伝統行事で国指定重要無形文化財の「島尻のパーントゥ・プナハ」が6、7の両日、行われた。泥だらけの来訪神パーントゥが、人や物に泥を塗って厄払いをするもので、厄を払って喜ぶ大人の笑い声と、泥にまみれた神の姿を怖がる子どもの泣き声が集落中に響き渡った。

 3体のパーントゥは全身につる草を巻き付け、生まれ井戸(ンマリガー)にたまった泥を全身に塗って登場。集落の宗家に当たるムトゥを訪れ、古老に泥を塗り付けた。その後、三方に分かれて集落内を練り歩き、住民や観光客、家、車など、人や物、老若男女に問答無用に泥を塗ったり投げたりしていた。
 ことし生まれた孫らと共に東京から訪れた木口八重子さん(60)は「私も孫も(数えで)厄年だ。パーントゥに2人一緒に泥を付けてもらい、縁起がいい」と話し、泥を塗られた顔をほころばせていた。