絵画が生きる力に 大城さん、半身不髄超え展示会


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絵画展を開いた大城清さん(左)と企画した大城政明さん。後方は作品「脳卒中の自画像」=4日、与那原町の介護老健施設「うりずん」

 【与那原】脳卒中で倒れ一時は生きる望みさえ失っていた西原町身体障害者協会会長の大城清さん(69)が、趣味の絵画活動を始めたことで希望を取り戻し、同じ境遇にいる人々を勇気づけようと、1日から与那原町の福祉施設で絵画展を開いている。

県内各福祉施設を巡回する絵画展も計画。大城さんは「やる気さえあれば半身不随でも復活できる。気落ちせず再出発を」と訴えている。
 絵画展が開かれているのは、大城さんが退院した後、リハビリで世話になった与那原町の介護老健施設「うりずん」。1階ロビーにはススキに月を描いた涼しげな秋の絵や花が踊っているような絵などが展示されている。
 特に大城さんが脳卒中で倒れた際に描いた作品「脳卒中の自画像」は、目にする物全てがゆがんで見えた体験をそのまま表現したもので、まるでピカソの絵を連想させる。展示会は18日まで。
 大城清展を計画したのは元中学教諭で作詞作曲活動を続けている糸満市出身の大城政明さん(72)。
 「謝花昇賛歌」をはじめ「日本開国の父ジョン万次郎琉球王国に上陸する」の作曲を手掛けた。病に屈することなく趣味を生かして再出発する大城さんの姿は、県民に希望と勇気を与える、と思いを一つにする。
 絵が展示されているロビーには、デイサービスの利用者や車いすの入所者らが訪れ、半身不随にも負けず頑張る大城さんの絵から勇気をもらいながら鑑賞していた。
(知花幸栄通信員)