県系人の守り神に 大型シーサー・アルゼンチンへ


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アルゼンチンに寄贈するシーサーを制作した金城実さん=11日、読谷村儀間のアトリエ

 【読谷】読谷村を拠点に活動する彫刻家の金城実さん(75)は在アルゼンチン沖縄県人連合会に大型シーサー一対を寄贈する。海上輸送し、6月中旬、ブエノスアイレスにある連合会の運動場「うるま園」の正門に設置される。

11日、村儀間にある金城さんのアトリエで完成祝賀会が開かれ、海を越えて南米に運ばれる守り神の完成を祝い、安全航行を願った。
 シーサーの大きさは高さ2メートル15センチ、横幅1メートル、胸から尾までの長さが2メートル。しっくいやセメントを使い、3カ月をかけて完成させた。
 金城さんの活動を紹介するテレビ番組を見た県人連合会の関係者がシーサー制作を依頼した。アルゼンチンには金城さんの親類が暮らすなど縁があることから、無償で制作を引き受けた。
 完成祝賀会には金城さんの友人や石嶺伝実村長ら約80人が出席した。金城さんは「残波岬にある残波大獅子を作って以来、30年ぶりの大きな仕事となった。アルゼンチンのために何ができるかを考え、依頼を引き受けることにした。私に目を付けてくれたことに感謝している」と語った。
 制作を依頼した県人連合会の屋宜宣太郎顧問(75)は「県人会の若い理事たちはシーサーを知らない。今回、シーサーが海を越えてアルゼンチンに運ばれることになった。金城さんの温かい心と皆さんの協力のおかげだ」と謝意を伝え、沖縄とアルゼンチンの交流促進を呼び掛けた。
 シーサーは今月20日、アトリエを出発する予定。金城さんは8月にアルゼンチンを訪れ、設置を祝う式典に出席する。
英文へ→Okinawan sculptor to present a large-sized shisa to the Okinawa Association of Argentina