震災漁船、石巻から漂着 3年余で糸満へ


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東日本大震災の大津波で宮城県石巻市から流れ着いた松川一雄さんの漁船=16日、糸満市の北名城ビーチ

 【糸満】糸満市の北名城ビーチに16日、2011年3月11日の東日本大震災で発生した津波によって宮城県から流された漁船1隻が漂着した。漂着したのは、宮城県石巻市で漁業を営む松川一雄さん(78)の漁船「松一丸」。

 船は全長約6メートル、重さ0・8トン。藻や貝が付着しており、破損箇所も多い。カッパや帽子、漁具が積まれていた。松川さんによると、船は約10年間、ウニやアワビ漁に使っていたが、津波で行方不明になっていた。漁船と家を流されたが家族は全員無事だった。
 松川さんは「長年使った船なので、沖縄に行って一目見たいが、生活が苦しい中で足を運ぶのは難しい」と苦しい胸の内を語った。沖縄での船の処分を希望しており現在、糸満市が処分方法を検討している。