【アルゼンチン】上原清利美さん、盛大にカジマヤー


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上原清利美さん(右から2人目)と(右から)長女のエレーナさん、上原さんの妹、長男のアルベルトさん=3月31日、ブエノスアイレス市の沖県連会館

 上原清利美さんが、数え97歳の生まれ年を祝う「カジマヤー」を迎え、3月31日夜、ブエノスアイレス市の沖県連会館で祝賀会が盛大に行われた。この日は、1週間も続いた雨もやみ、祝賀会には500人余の招待客が出席した。
 上原さんの妹は1700キロ離れているフーフイから駆けつけ、700キロ離れたコルドバや400キロ離れたロサリオからも多数がはせ参じて来た。

 会場入り口には上原さんの写真が張り巡らされ、彼のこれまでの業績が分かるようになっていた。上原さんは奥さんや二女を亡くし、家族は長男で医師のアルベルトさん、長女で彫刻家のエレーナさん、そして二男で建築技師のマルティンさんとなっている。戦前移民した上原さんは、アルゼンチンのウチナーンチュ社会でもちろんのこと、日系社会の中でも華々しく活動した。
 1955年には現地の夜間中学でスペイン語の勉強を終え、語学を生かした活動は人々を感動させた。現在唯一の日本語新聞の「らぷらた報知」の株主で、68年には「在アルゼンチン日系人録」を編さん、日系人社会に貢献した。
 祝賀会であいさつした今帰仁村人会長の仲宗根松則さんは「こんな大先輩の上原さんの花のカジマヤーを迎えることができたのは、村人挙げて大喜びだ」と述べた。
 続いて米須清文在亜沖縄県人連合会長、友人代表の田港朝寿さん、そして沖縄古典音楽野村流亜国支部長の又吉良吉さんが祝辞を述べるとともに記念品を贈呈した。
 (新垣善太郎通信員)