でいご娘が披露 父が作った「艦砲ぬ喰ぇー残さー」


社会
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<アミークス平和学習>「艦砲ぬ喰ぇー残さー」を子どもたちに語り掛けるように歌ったでいご娘=15日、うるま市栄野比の沖縄アミークスインターナショナル

 【うるま】姉妹4人の民謡グループ「でいご娘」が15日、うるま市栄野比の沖縄アミークスインターナショナルで、戦争を生き延びた人の平和への願いを歌った「艦砲ぬ喰ぇー残さー」などを披露した。アミークスの平和学習の一環。同校7年生と6年生、職員などがでいご娘の話と歌に静かに聞き入った。

 「艦砲ぬ喰ぇー残さー」はでいご娘の父で、音楽プロデューサーの比嘉恒敏さんが作詞作曲をした。恒敏さんは学童疎開船対馬丸や空襲で家族6人を亡くした。戦後はでいご娘として活動する4人を含む7人の子に恵まれた。だが1973年、米兵の飲酒運転で妻シゲさんと共に事故に遭い、死亡した。
 長女・島袋艶子さんは「父は最初の家族を戦争で失った。私たちが生まれた、とっても幸せな時に艦砲ぬ喰ぇー残さーができた」と歌について説明し「戦争を忘れることはできないけど、娘たちに歌わせたいなと思ったんだろう。この歌は私たちにとって父の遺言であり、応援歌だ」と語った。
 平和学習では7年生の兼城夏穂さんが、昨年度に創作し、沖縄祈念資料館児童・生徒平和メッセージ「詩」部門で最優秀作品となった詩「ガジュマルのひとりごと」を日本語と英語で朗読した。