94歳現役ハルサー 伊江村の山城さん、体力に自信


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<94歳現役ハルサー>自ら考案したパイプで島らっきょうの種を植え付ける山城義雄さん=24日、伊江村西江上

 【伊江】うだるような暑さが続く中、伊江村西江上区の畑で、黙々と島らっきょうの植え付け作業に励む1人のお年寄りがいる。同区の山城義雄さんは1920年生まれの94歳。耳が遠いものの、背筋はしっかり、足腰や体力に自信がある。

日ごろは自らハンドルを握り、自家用車で村内を駆け巡る元気で明るいおじいだ。
 伊江島に米軍が上陸した1945年4月16日、義雄さん(当時24歳)は防衛隊として隊長の送迎やかばん持ちをしていた。長女や戦友を亡くし、語る言葉は少ない。毎年村で戦闘が終結した4月21日に芳魂之塔で平和祈願祭が執り行われる。村遺族会を代表し、義雄さんが戦友代表として献花を捧げる。
 現在は妻ミドリさん(94)の面倒を見ながら2人で暮らし、炊事や洗濯、掃除から農作業まで一人でこなす。
 島らっきょうの植え付けは手作業で、土深く種を立てて植えるが、腰の負担が大きく重労働となっていた。「2、3日前寝る前にふと思い付いた」と、義雄さんは種の入った袋を腰に下げ、考案した1メートルほどのパイプを使って、種を次々と落としていた。休む間もなく、トラクターを運転して種に土をかぶせた。
 「この年になると寝たきりの人が多いけど、畑仕事をするのは私だけだよ」と胸を張る。
 同区の知念邦夫区長は「見かけるたびに畑にいて、水掛けや草むしりをしている。とにかく働き者で若い人も見習わないとね」と感心する。
 くば笠(がさ)をかぶり、いつもの作業スタイルで「この畑全部1人でやるから大変だよ。明日までかかるさー」と汗を拭きながら笑顔で語り、再び作業に戻った。
(金城幸人通信員)
英文へ→94 year-old Yamashiro from Ie is still an active farmer