【アメリカ】沖縄の歴史や言葉紹介 北米県人会、仏教会で初の研究集会


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沖縄文化ワークショップに参加した(左から)比嘉朝儀さん、神谷ジェーンさん、三浦教行開教師、安富祖ジョイスさん、山内優子さん=3月、米ガーデナ市

 南カリフォルニア地域の仏教会ダーマ教師連盟(サンデースクール・ティーチャーズリーグ)がこのほど、米ロサンゼルスの隣接都市ガーデナの仏教会礼拝場で沖縄文化総合ワークショップを開催した。
 ワークショップには、約50人が出席、北米沖縄県人会文化部の徳永愛子部長ほか4人を招待して行われた。
 ダーマ・サンデースクール教師連盟は、各地域の仏教会が持ち回りで文化イベントを行っている。仏教会での沖縄文化紹介は初めて。英語で説明が行われた。
 前文化部長で、ウチナーグチ教室の講師を務めている元県人会長の比嘉朝儀さんは、沖縄の歴史とウチナーグチについて講演。歴史年表に沿って、天孫王朝時代から1972年の日本復帰までの主な出来事を説明した。ウチナーグチの講義では、音韻形態の変化や母音と子音の変化を説明しながら、参加者に実際、発声してもらった。
 山内優子さんは三線を弾き、三線は尚真王の時代より少し遅れて中国南部から琉球に伝来、琉球音楽の主要楽器となっていると説明。神谷ジェーンさんは琉球女性の髪(カラジ)をスクリーンに映して、髪にかんざし(ジィファ)の刺し方や琉髪の結い方をデモンストレーション。かんざしで身分を表した時代もあったと語った。
 県人会文化部長の徳永さんは古典舞踊の起源について話し、1404年に武寧を封ずるために冊封使一行が乗って来た船を御冠船(ウクワンシン)と呼び、それにちなんで御冠船踊り(ウクワンシン・ウドゥイ)と呼ばれるようになったと話した後、舞踊「かぎやで風」「上り口説」「加那よー」などを神谷さん、安富祖ジョイスさん、山内さんらが踊り、古典舞踊と雑踊りの違いについて説明を加えた。
 さらに踊りの「カシ」、それに合わせての動作、衣装なども説明。会場から終始、声援が送られ和やかな雰囲気での2時間余の「沖縄文化ワークショップ」となった。
(当銘貞夫通信員)