【ブラジル】85歳の生年祝う 天願憲松さん、長年 古典音楽を指導


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親せきや友人らが盛大に祝った85歳を迎える(左から)天願憲松さんと夫人の照子さん=8日、サンパウロ市のブラジル沖縄県人会大ホール

 天願憲松さんの85歳の生年祝いと、夫人の照子さんとの結婚65周年記念祝賀会が8日夕方、ブラジル沖縄県人会本部の大ホールで行われた。親せき、友人ら約500人が出席し、野村流古典音楽協会師範として長年ブラジル支部の活動に携わってきた憲松さんと照子夫人を祝った。
 祝賀会はまず最初に、伊差川實元県人会長から憲松さんの経歴が紹介され、続いて長女の山口よし子さんが両親への礼の言葉を述べた。孫たちが花束を手渡した後、与儀昭雄県人会長、知念直義音楽協会ブラジル支部長、山城勇協会顧問、天願貞雄うるま市民会長、嘉数秀治音楽保存会ブラジル支部長があいさつ、功績をたたえた。
 最後にあいさつした憲松さんは「ここまで来られたのは皆さんのおかげ、これからも変わりないお付き合いをお願いします」と謝辞を述べた。山口栄三音楽協会顧問の乾杯の音頭で、日本料理、ブラジル料理の並んだテーブルを囲み、食事に移った。
 天願家の歴史を追った映像が流れ、憲松さん夫妻は懐かしく過去を振り返り、ほおを緩ませていた。さらに、沖縄在住のおい、天願貞信元県農林水産部長、天願憲三元豊見城警察署長、孫の金武正八郎県教育委員会教育指導統括監から届いた祝電も披露された。余興、演芸では、具志堅洋子琉球舞踊道場のメンバーと金城節子さん、斎藤悟さん、当間シンチアさんが踊り、宴を盛り上げた。この日のために一生懸命練習してきたという、家族による「安里屋ユンタ」の歌と演奏で祝賀会を締めた。
 憲松さんは旧具志川村出身で、1958年にブラジルへ移住。野菜作りをしながら4男3女を育て、その間、古典音楽の研究、継承、普及に力を注いできた。2000年に開催された音楽協会ブラジル支部創立45周年記念式典では、サンパウロ市からグランクルス章を授章されている。移民95周年には、沖縄県から移民功労者として表彰された。現在、孫12人、ひ孫5人。毎朝5時に起床し、夫人の照子さんとともに古典音楽の研さんを続けている。(与那嶺恵子通信員)