故郷に感謝 森づくり 伊江中1年生、種育て卒業時に植樹


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「旅立ちの森」に植樹するリュウキュウコクタンの実を採取する生徒と指導する名渡山望さん(右端)=9月26日、伊江村西部土地改良区

 【伊江】伊江村は環境教育の一環として、「海を守る植樹教育事業~旅立ちの森づくり~」の取り組みを始めた。緑の大切さを学び、15歳で島を旅立つ子どもたち自身が、中学1年生で木の種をまき、校内で苗を育てて卒業時に「植樹」する活動で、「木」に故郷への感謝の気持ちを込めて「旅立ちの森」をつくる取り組み。

自治体がこの事業に取り組むのは全国でも珍しい。
 「旅立ち森づくり」事業は、東日本大震災をきっかけにB&G財団が、豊かな海は豊かな森によってつくられることに着目し、2012年から全国で展開している。同村では昨年度、同財団の事業を受けて実施。本年度から継続的に同村が実施し、村農林水産課と伊江村B&G海洋センターが共同で指導などを行う。
 9月26日、伊江村立伊江中学校(山入端きよみ校長)の1年生44人と教諭らは、村役場職員で同財団が認定する植樹リーダーの名渡山望さんから工程などの説明を受けた。
 生徒らは、防風林として利用されているリュウキュウコクタンとフクギの木の実を村西部土地改良区と村川平区で採取。高い木の枝の実は脚立などを使い集めた。実から種を採り、卒業までの約2年半、植樹に向けて全ての工程を自ら行う。
 玉城和実君は「地域の方々に恩返しするつもりで、3年生までしっかり苗を育てて植樹し、感謝の気持ちを表したい」と話した。
 同事業の初年度として、宮里徳成教育長が同校を訪れ、生徒を激励した。(中川廣江通信員)