偏見ない社会求め 「米系沖縄人」を議論 きょう琉大でシンポ開催


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アメリカ系うちなーんちゅの会を発足し、自分たちに向けられる偏見や社会的な居場所づくりを考えたいというメンバーら=3日、那覇市内

 「ハーフ」や「ダブル」と違う存在として自分たちのことを知ってほしいと「アメリカ系うちなーんちゅの会」が活動している。アメリカ人と沖縄県民の親を持つ20~60代が月に1度、宜野湾市内で座談会を開いている。

メンバーは戦後の沖縄でルーツや外国人のような容姿などのため、人権的、政治的に肩身の狭い思いを強いられてきた。自分たちへの偏見を社会に訴え、生きやすい沖縄づくりを考えたいと6日、シンポジウムを開催する。
 会の発足は2013年。会が定義する「アメリカ系うちなーんちゅ」の特徴は(1)日本語を中心とした環境で育った(2)アメリカ人の父親は知らない、育てられていない人が多い(3)日本国籍しか持っていないことが多い―だ。特に米兵と沖縄の女性の間に生まれたメンバーが多い。
 ことし1月の座談会で、比嘉光龍さん(45)=那覇市=は「『ハーフ』というカテゴリーに押し込められて、英語を話すことができる、裕福な生活をしている、と見られる」と話した。メンバーからは基地反対の声が盛り上がる時や学校で平和教育を受ける時、「やなアメリカーやー」といじめられた体験が語られた。
 厚労省によると昨年、県内でアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた子は307人で、外国人の父を持つ子の82%。10年前の253人、20年前の194人と比べ増加傾向にある。6日のシンポジウムは「言語~社会的イメージと私たち」をテーマに経験談から問題を提起する。琉球大学法文学部新講義棟114教室で午後2時から4時まで。入場無料。(東江亜季子)