【中国】琉球焼7点も紹介 偽満皇宮博物院で「日本の陶磁器展」


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吉林省長春の偽満皇宮博物院で展示されている琉球焼

 「最新展覧・収蔵する日本の陶磁器展」と日本語のタイトルが掲げられた展示会が吉林省長春の偽満皇宮博物院で開催されている。同展では龍巻きや山水民家などを盛り付けた琉球焼の各種のつぼ7点も展示。各作品には堆雕陶瓶、雲龍海浪紋陶瓶など加飾技法や文様が表示されている。
 同展では薩摩焼、古瀬戸、柿右衛門、相馬焼、九谷焼、木米の人物文小皿やつぼなど日本各地の陶磁器が一堂に展示されている。特徴的なのは支那事変記念盃、憲兵隊解散記念盃、福全文字「帰隊」記念盃などの各盃。琉球焼7点は、会場を入ってすぐの一壁面に展示されている。これらの日本陶磁器は旧満州時代に日本人が引き揚げる際に残した陶磁器類であると思われる。
 偽満皇宮博物院は日本人観光客も多く訪れることから、全館の各解説板は日本語の解説も併記されている。
 偽満皇宮博物院は1932年から45年まで日本の傀儡(かいらい)政権だった旧満州国の皇帝溥儀の皇宮であった。中国東北近代史の影の部分として、同院は「愛国主義教育基地」の役割を担っており、東北地方はもとより国内外から参観者が訪れている。
 2005年に着工した大掛かりな改修工事を終え現在、博物院前広場の工事が進んでいる。
 (池宮城克子通信員)