金丸、西原に“凱旋” 伊是名村民劇「尚円王~松金がゆく~」


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尚円王ゆかりの地である西原で6年ぶりに再演された伊是名村民劇「尚円王~松金がゆく~」=22日、西原町のさわふじ未来ホール

 【西原】琉球王朝第二尚氏王統の初代国王・尚円王の即位までを描いた史劇「尚円王~松金(まちがに)がゆく~」が22日、西原町のさわふじ未来ホールで上演された。

尚円王の生誕地である伊是名村が展開する「尚円王生誕600年記念祭」の一環として、6年ぶりの再演となった。芝居に地謡、音楽バンド、民俗芸能まで総勢100人余の村民が熱演し、尚円ゆかりの地である西原で「凱旋(がいせん)」を果たした。
 尚円王は即位前の名を金丸といい、1415年に伊是名島の諸見で生まれた。島を出た後、尚泰久王に才能を見込まれ、百姓の出ながら西原間切の領主となるまで出世した。西原町嘉手苅には金丸の居住跡とされる内間御殿が今も残っており、史跡発掘と復元整備が進められている。
 劇は午後1時と同4時の2回公演。2009年1月の那覇市民会館以来となる再演に、多くの観客や伊是名郷友会などの関係者が駆け付け、いずれの回も大入りとなった。
 王府からの使者が内間御殿を訪れ、金丸に国王即位を求める場面でクライマックスを迎えた。出演者が客席まで広がって新国王誕生を喜ぶ拳を突き上げ、観客も一体となって熱気に包まれた。
 伊是名村は尚円王の生誕600年に当たることし、年間を通したさまざまな事業を計画する中で、08年度に総務大臣賞も受けた村民舞台劇の本島公演を企画した。尚円王とゆかりのある西原町と協力し、「金丸、西原に凱旋」と銘打って生誕600年を飾る運びとなった。