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【宮古島】23日に卒業式が開かれた宮古島市立福嶺小学校(池村康男校長)では、宮古島の伝統工芸品・宮古上布の原材料となっている苧麻(ちょま)でできた児童手作りの卒業証書で6年生3人の門出を祝った。卒業生たちは「世界で1枚しかない卒業証書」と誇らしげに語り、卒業後の活躍を誓っていた。
授与された卒業証書は、6年生が自ら作った紙でできたものだ。同校は地域の伝統文化の学びにつなげようと、苧麻紙による卒業証書作りを企画した。子どもたちは昨年10月に苧麻の植え付けを体験し、1月には成長した苧麻を農家から提供してもらい、専門家の指導を受けながら紙すきの工程を全員で担った。
卒業証書を受け取った平良真亜樹君(12)は「紙を平たくすくのが難しく、何度もやり直した。おかげで、いい紙ができた」と笑顔で制作過程を振り返った。
独特の優しい風合いを醸し出す“オンリーワン”の卒業証書。池間幹君(12)と平安光希君(12)は「世界に1つだけの卒業証書。大人になっても友達に自慢できる。一生大切にしたい」と胸を張った。
同校は苧麻紙作りを今後も継続する考えだ。池村校長は「身近にある苧麻を通して宮古の自然や文化を学び、宮古を大切にする人に育ってほしい」と期待を寄せた。