空手県高校夏季 三枝(女子)赤嶺(男子)組手V


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 空手道の県高校夏季大会が25日、浦添高体育館で行われ、個人組手の男子は赤嶺洸史(首里)、女子は三枝彩香(名護)が頂点に立った。個人形の男子は島袋佑哉(コザ)が連覇し、同女子は細田悠乃(開邦)が制した。1・2年個人組手の男子は金城魁(前原)、女子は當間亜妃(浦添)が優勝した。

◆三枝“単調”脱し攻守安定
 しっかり腰を落として相手の攻撃を見極める。そこから重く、力強い中段突きでカウンターを決める。女子個人組手は攻守に安定感を見せた2年の三枝彩香(名護)が頂点に立った。高校で初めての県大会制覇に「中学のころに勝てた相手にも勝てない状況が続いていたので、うれしい」と顔をほころばせた。
 小学3年で空手を始めて以来、組手一筋でやってきた。大宮中時代は県中体連で組手団体、個人の2冠を達成するなど華々しい戦績を誇ったが、高校進学以降、タイトルから遠ざかっていた。「技が少なくて攻撃が単調になっていた」。自分の組手を見詰め直し、練習に打ち込んだ。
 1回戦からトップギアで臨み、トーナメントを駆け上がった。決勝の相手、伊敷瑛里子(首里)とは過去に劉衛流の大会で対戦し、判定で敗れていた。「ダッキングで攻撃をよけられて技を決めさせてもらえなかった」という。今回は相手を引き付け、しっかり踏み込んだ突きで着実にポイントを奪った。
 目標はあくまで県高校総体で頂点に立つこと。「この優勝をきっかけに、もっと強くなりたい」と誓った。(荒井良平)

◆赤嶺、重圧も貫禄“3連覇”
 男子個人組手は赤嶺洸史(首里)が5試合で2ポイントしか失わない“横綱相撲”でトーナメントを制した。一昨年は個人組手、昨年は1・2年個人組手を制しており、これで“3連覇”を達成。「『勝って当たり前』というプレッシャーもあったが、それを乗り越えられた」と手応えを口にした。
 島袋佑哉(コザ)との決勝は「悪い癖が出た。慎重に入りすぎた」。中段突きを食らい、ポイントを先行されたが「まだ時間はある」と慌てなかった。
 前に出て相手にプレッシャーが掛けるとコーナーに追い込み、中段蹴りで技ありを奪う。「うまく誘導できた」と狙い通り、逆転に成功すると、後は赤嶺の独壇場だった。
 積極的に仕掛け、突きで次々とポイントを重ねた。最後は7-1の圧勝。赤嶺は「ライバルはみんな力を付けてきている。攻撃を単発で終わらせず、次につなげる『回転力』を身に付けたい」とさらなる進化を誓った。

<空手県高校夏季大会>女子個人組手決勝 突きで攻める名護の三枝彩香(左)=25日、浦添高体育館(荒井良平撮影)
男子個人組手決勝 鋭い突きで攻める首里の赤嶺洸史(右)