ノグチゲラ、生息域南下 名護で営巣初確認


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<名護で営巣初確認>親とみられる雄の成鳥から餌を与えられたノグチゲラの幼鳥=5月10日、名護市の山林(渡久地豊氏提供)

 【名護】国の特別天然記念物に指定されているノグチゲラの営巣と、幼鳥の1羽が名護市内の山林で確認された。13日、環境省やんばる自然保護官事務所が発表した。

1日に営巣を発見、親とみられる成鳥の雄、雌1羽ずつが餌を与える姿があり、11日にはそれまでこの巣から顔を出していたヒナが巣立つ様子も見られたという。事務所によると、名護市内での営巣や幼鳥の確認は初めて。
 ノグチゲラは国頭、大宜味、東の3村が主な生息地とされている。同事務所の山本以智人自然保護官は「過去にも名護市内で目撃情報はあったが、営巣やヒナが確認されたのは初めて。喜ぶべき話題だ」との見解を示し「繁殖環境が名護市の一部にもあることが分かった。生息地域が南下し広がっていることになり、貴重な確認となった」と意義について話した。
 環境省ノグチゲラ保護増殖事業ワーキンググループの渡久地豊委員が発見した。渡久地さんは昨年6月にも名護市内で雌の成鳥1羽と幼鳥1羽を確認したが、その際には営巣木は見つけられず、引き続き市内一帯を観察してきたという。
 今回の確認について「市内で巣立つ様子をいつか見つけたいと思っていた。一定の達成感がある」と話した。巣の外で幼鳥が雌の成鳥から餌を与えられている様子も目撃したといい、「ノグチゲラの繁殖について新しいステージに進んでいける。繁殖が定着していくのか観察を続けたい」と興奮した様子で語った。