【アメリカ】北米県人会芸能部が創立20周年


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琉球古典芸能が華やかに披露された北米沖縄県人会芸能部創立20周年記念祝賀会=5月20日、米モンテベロ市

 北米沖縄県人会の芸能部創立20周年記念祝賀会が5月20日、ロサンゼルス近郊モンテベロ市で催された。9人の歴代芸能部長をはじめ関係者ら約400人が出席し、異国の地でのふるさとの伝統芸能発展を盛大に祝った。

 「沖縄の踊りと音楽は私たちのアイデンティティーの核をなすもの」との神谷ケン北米沖縄県人会長の祝辞に続き、照屋勝子芸能部長が「心を痛める惨事が続く世の中だが、世界各地でウチナーンチュのチムグクル(肝心)を紡いでいるのが琉球伝統芸能。恒久平和の実現は、私たち琉球芸能家の心からの願い」と語り掛け、発展の土台を築いてきた先駆者の努力に感謝の意を示した。
 3代目の部長を務めた真境名愛子さんは、芸能部の沿革を説明。12教室からスタートし、毎年5月に開催している芸能の祭典「謡やびら踊やびら」や2世週祭パレードへの参加などを軸に、現在の22教室まで拡大してきた活動の歴史を紹介した。2代目部長で同祝賀会実行委員長を務めた比嘉朝儀さんは各教室の師匠や関係者の労をねぎらうとともに、次世代への継承へ向け、さらなる団結を呼び掛けた。
 芸能部の活動に貢献した中谷夏子さん、島盛一さんと歴代部長にそれぞれ感謝状が授与された後、金城武男さんの音頭で高らかに乾杯した。
 プログラムの最後はカチャーシーで飾った。孫と一緒に踊っていた宮城敏子さんは「子供のころに見たやんばるの海の美しさや懐かしい沖縄の情景を思い浮かべていた。年老いて沖縄との行き来も難しくなった今、アメリカでふるさとの芸能が楽しめることに深く感謝している」と話していた。
 (平安名純代通信員)