「東海丸」の写真発見 尚泰、琉球処分後連行の軍艦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「琉球処分」の後、琉球の尚泰王を東京へ強制連行する際に使われた軍艦「東海丸」の写真(又吉盛清氏提供)

 日本が琉球王国を併合した1879年の「琉球処分」の後、明治政府が琉球藩王の尚泰を東京へ強制連行した際に尚泰を乗せた軍艦「東海丸」の写真が28日までに見つかった。

写真は又吉盛清沖縄大学客員教授が神奈川県横浜市の日本郵船歴史博物館に所蔵されているのを発見した。
 東海丸は74年の台湾出兵にも使われている。又吉氏は「『琉球処分船』の古写真の発掘はこれまでほとんど取り組まれてこなかった。台湾と関わる東アジアの中で『琉球処分』と船舶の軍事性の問題を解明する上で貴重な資料だ」と話している。
 松田道之処分官は3度、来琉しており、乗船した「処分」船は、判明しただけでも大有丸、広島丸、敦賀丸、高砂丸、新潟丸、田子浦丸、豊瑞丸の7隻。尚泰らを連行した船は明治丸、東海丸、新潟丸で、尚泰は途中、神戸で新潟丸に乗り換えた。尚泰に先立ち上京した尚典は明治丸に乗った。今回、「処分」に関わった船全ての写真20枚余も見つかった。