保護のヤンバルクイナ、治療終え放鳥 国頭村楚洲


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放鳥され、一目散に茂みへ向かうヤンバルクイナ=17日、国頭村楚洲

 【国頭】国頭村楚洲でけがをしている状態で保護されたヤンバルクイナの雄1羽が17日に放鳥された。回復まで世話した環境省やんばる野生生物保護センターやNPO法人どうぶつたちの病院沖縄などの関係者が見守った。

ヤンバルクイナの交通事故はことしに入り17日現在で16件発生し、そのうち15羽が死んでおり、今回放鳥されたクイナは唯一回復した個体。解放されると羽をばたつかせて一目散に茂みに駆けていき、数分後、森から「キョキョ」と元気な鳴き声が響いた。
 放鳥されたヤンバルクイナは4月23日午前、事故に遭いけがをした状態で発見された。同センターが保護し、同NPOが投薬治療とリハビリを施していた。
 ヤンバルクイナは5~6月が繁殖期や育雛(いくすう)期で、成長した若鳥の活動が活発化する。治療した同NPOの玉那覇彰子研究員は「道路になれていない幼鳥や若鳥のためにも安全運転を心掛けてほしい」と話した。