【恩納】小児がんなど難病を抱える子どもたちと家族が沖縄の家族や文化、自然と触れ合う「沖縄ウィッシュバケーション」が20~22日の3日間開かれ、難病の子どもたちとその家族が念願の沖縄旅行を満喫した。
21日には、恩納村の県民の森で中頭病院スタッフの家族らと共にパークゴルフを通して交流を深めた。
旅に参加したのは田淵匠君(7)家族5人と山口結衣さん(6)家族4人。匠君は小児がんの一種脳幹部グリオーマを発症し、現在は放射線治療を続けている。結衣さんは横紋筋肉種を患った。2人とも一時は抗がん剤治療などを受けて入院や通院生活が多い生活を送っていた。
家族の夢をかなえたのは、公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」(東京都、大住力社長)だ。同法人は難病の子どもたちと家族の支援をしており、難病の子どもたちの夢をかなえる旅行の企画や受け入れ体制の調整をしてきた。大住社長は「旅先の家族との交流を深めることで、難病への理解を広め、難病の子どもたちと社会のつながりをつくることも旅の目的だ」と話した。
カフーリゾートフチャクコンド・ホテルが宿の受け入れをサポート。中頭病院のスタッフの家族が空港でプラカードを持って出迎え、美ら海水族館やパークゴルフなどを一緒に楽しんだ。
パークゴルフ大会でMVPの匠君は「本当に僕の?」と信じられない様子で賞状を見て「面白かった」と笑顔を見せた。結衣さんはイルカのぬいぐるみを手に「楽しかった」と恥ずかしそうに話した。
匠君の母親のりかさん(46)は「沖縄に行くために治療も頑張ってきた。とってもうれしそうで、企画してくれた皆さんに感謝です」と話した。