8強出そろう 夏の甲子園県大会第8日


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<8強出そろう>宮古―中部商 1回宮古2死一、二塁 レフトスタンドへ3点本塁打を放つ下地秀一郎=11日、宜野湾市立野球場(仲本文子撮影)

 第97回全国高校野球選手権沖縄大会第8日は11日、沖縄セルラースタジアム那覇などで3回戦8試合を行い、ベスト8が出そろった。宮古は中部商を6―1と打ち崩し、10年ぶり6度目の8強進出を決めた。

具志川商は九回、宜野座に追い付かれたが、その裏に1点勝ち越し、サヨナラで7年ぶり2度目の準々決勝へ駒を進めた。そのほか興南、八重山、糸満、知念、沖縄尚学、普天間が8強に名を連ねた。大会第9日の12日は準々決勝4試合を行う。

◆宮古、攻守かみ合う 狙い澄まし打線爆発
 好投手同士の投げ合いになるかと思われた一戦は、宮古打線が鮮やかにその予想を打ち砕いた。
 先陣を切ったのは主将の下地秀一郎だ。四死球と犠打で迎えた2死一、二塁の場面。「前の打者まで変化球が多い。狙っていけ」との瀬名波幹智監督の助言通り内角低めのカーブを完璧に捉え、レフトスタンドへ3点本塁打をたたき込んだ。立ち上がりが課題とされた本格派右腕を見事に攻略し、勢いに乗った打線は四回に2点、七回にも1点を加えた。
 春の県大会は準優勝こそしたものの、決勝は興南に0―11で大敗した。悔しさを忘れまいと練習場の黒板にその時のイニングスコアを刻み、球の見極めやコンパクトなスイングなど打撃強化に励んできた。夏のシードを獲得したことで招待試合などに参加し、県外強豪校との実戦経験も積んだ。下地は「春は緊張して打てないことがあった。今はどれだけ点を取っていても次の1点を取りにいく」と貪欲さを誇る。
 エースの松川竜之丞はこの日は5四死球を与えたが1失点と踏ん張ってみせた。ここまで制球に苦しみながらも3試合を1人で投げ抜き計1失点と仕事を果たしている。目標を問われた右腕は「甲子園です」ときっぱり。10年ぶりに8強の扉を開いた。宮古勢悲願の聖地へ、残る階段はあと三つだ。(大城周子)

◇きのうの結果
▽3回戦
興南 4―1 南風原
沖尚 7―0 那覇西
(七回コールド)
糸満 12―3 嘉手納
(七回コールド)
普天間 6―0 沖縄工
知念 3―1 コザ
具志川商 4―3 宜野座
八重山 4―3 美来工科
宮古 6―1 中部商

◇きょうの試合
▽準々決勝
【セルスタ】10時
興南―八重山
糸満―知念
【北谷】10時
沖尚―普天間
宮古―具志川商