石垣に水産加工施設完成 新たな特産品期待


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 【石垣】水産業の振興を図ろうと、石垣市が市新栄町の石垣漁港内で整備を進めていた市水産加工施設が15日、完成した。島産モズクの袋詰めやソデイカ、マグロなど鮮魚の一次加工のほか、加工品製造を手掛けるなど、市や八重山漁業協同組合など関係者は施設を拠点に石垣島の新たな特産品作りにも力を入れる。

 市や竹富町、八重山漁協、民間企業などが2014年1月に市産地協議会を設立し、国の産地水産業強化支援事業で補助を受け、同年10月に工事に着手した。施設は鉄骨造り1596平方メートルで、総事業費は約4億5千万円だった。
 施設はモズクを洗浄、選別、貯蔵、袋詰めする専用作業室のほか、ソデイカ加工ラインやマグロなどの鮮魚をさばく一次加工室、鮮魚を調理したり商品を製造したりする高次加工室などを配置した。衛生的で作業の効率化も期待できる。
 現在既に商品化されている「もずく」や「ツナフレーク」に加え、今後は必要な機材を導入するなどし新たな商品の開発を目指す。
 八重山漁協は赤マンボウやマグロを使った試作品を完成させており、担当者は「案はいろいろある。新たなメニューを考えていきたい」と意気込みを語った。
 15日開かれた落成式で中山義隆市長は「市の水産業はマグロやソデイカなど多種多様で漁協を中心に振興が図られてきた。新たな施設により加工業務の改善が図られ、6次産業化の推進や新たな魅力発信が期待できる」と完成を喜んだ。

新たに建設された石垣市の水産加工施設。モズクは洗浄から貯蔵、袋詰めまでの作業ができる=15日、石垣市新栄町の石垣漁港
加工施設で今後製造する商品や島産の水産物を使った試作品