仙台の児童、笑顔に 牧志公設市場の有志Tシャツ贈る


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宮城県仙台市の荒浜小学校児童らに贈るTシャツを着て、募金協力を呼び掛ける第一牧志公設市場などの有志ら=13日、同市場

 東日本大震災で校舎を失い、9月6日に5年ぶりの学区民運動会を開催する宮城県仙台市の荒浜小学校(櫻場直志校長)の児童らに記念Tシャツ200枚を贈ろうと、那覇市第一牧志公設市場や周辺商店の有志らが募金活動を展開している。

同校は2016年度に近隣小と統合され、143年の歴史に幕を降ろす。同市場組合の粟国智光会長らは「荒浜小の児童に沖縄の肝心(ちむぐくる)を伝えたい」と語り、多くの人々の賛同を呼び掛けている。
 同校は11年3月11日に大震災の津波で被害を受けた後、内陸部の小学校に間借りして学校教育を継続してきたが、地域が災害危険地域に指定されるなどして児童数が激減し、近隣小と統合されることになった。
 そこで同校は地域コミュニティー再生を願い、かつて地域の一大イベントだった大運動会復活を企画した。
 ことし5月末に仙台市の知人を訪ねた際、同校の取り組みを知った同市場内の鮮魚店主・久高唯光さん(66)や市場近くの加工食品店主・上原昇さん(48)らは「まだ復興が進んでいない。何かできることはないか」と思案。思い出に残る大運動会用のTシャツを贈ることに決めた。
 現在、有志らは同市場内など数カ所に募金箱を設置。18日まで市場内で開催される「島胡椒ピィパーズ那覇マチグヮー祭」でも募金箱を設置し、資金造成のためのTシャツ販売も行うなど協力を呼び掛けている。贈呈用Tシャツは粟国組合長らが現地を訪れ、小学校側に直接手渡す。
 宮森小3年の時に米軍ジェット機墜落事故を経験した久高さんは「事故後はテントで勉強したが、救援物資をもらった時の感動は忘れられない。Tシャツ贈呈は荒浜小児童の心にも残ると思う」と語った。
 募金・寄付受け付けは26日まで。問い合わせは同市場組合(電話)098(862)9989。