旧盆商戦が活発 離島、台風影響で品薄懸念


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<旧盆商戦>県産ゴーヤーやナーべーラーなどを買い求める利用者ら=20日正午、糸満市西崎

 旧盆が始まる26日を前に、県産農産物の旧盆商戦が活発になっている。県産野菜を取り扱う直売所JAおきなわファーマーズマーケットはこの時期、通常の休日より約2倍売り上げる。各店舗は旧盆向けに、供え物用の果実や花類など品ぞろえを充実させている。一方、旧盆直前の今週末にも沖縄に接近する台風の影響で、離島地域は「品薄状態」が懸念されている。

 県産野菜は、8月上旬に卸売価格1キロ当たり500円前後だった県産オクラが300円値下がりし200円前後だという。一部農家に出荷自粛を求め、出荷量を調整している。ヘチマは1キロ当たり60~70円程度安くなっている。ゴーヤーは例年並みの1キロ当たり300円前後で推移している。
 今週末から週明けに接近が予想される台風の影響で「県産野菜が一気になくなる可能性もあり、台風明けの市場動向はまだ分からない」という。JAおきなわファーマーズ推進部によると、早い店舗は今週末から、それぞれ独自の旧盆フェアを開催する。ファーマーズマーケットの中で最大の売上高を誇る糸満市の「うまんちゅ市場」は旧盆前の18日、精肉コーナーを設置。同店舗は、平日にもかかわらず多くの利用者でにぎわっていた。旧盆時期に需要が高まる米やマンゴー、パイナップルなどの品ぞろえも豊富だ。旧盆時期にだけ取りそろえるお盆飾りのサトウキビなどが並ぶ。
 石垣市にある「ゆらてぃく市場」は、今週末の台風による船舶の運航状況の影響で「県外産青果の入荷が遅れる見込みもある」と懸念している。台風前の生産者の駆け込み出荷については「マンゴーやパインの収穫はほぼ終わっているので、心配はない」という。
 天候不順で一時高値だった県外産野菜について、沖縄協同青果(浦添市、名嘉重則社長)の担当者は「一時期に比べると価格は安定してきた」と語る。関係者によると小売販売価格も落ち着きつつあるが、例年に比べ1割程度高めだという。