末期がん闘病中のプロボディーボーダー 回復願いイベント


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 【北谷】末期の子宮頸部(けいぶ)腺がんを患う県勢唯一のプロボディーボーダー翁長優子さん(40)を応援しようと、「irinamy波波DAY」が13日、北谷町の宮城海岸で行われた。

県内外から約80人が集まり、ボードを使ったリレーや海水浴などで晩夏の海を楽しんだ。
 翁長さんはこれまで、県出身者として唯一のプロボディーボーダーとして活躍。プロショップ「irinamy(イリナミィ)」を運営し、スクールや大会を催すなどして県内のボディーボード界をけん引してきたが、昨年9月に末期の子宮頸部腺がんを告知された。イベントは同実行委員会をはじめ、沖縄サーフィン連盟(OSA)や他5団体が協力し実現した。
 イベント終盤に設けられた「ちゃぷちゃぷタイム」では、参加者らに支えられた翁長さんがボードに乗り、約8カ月ぶりのボディーボードを満喫した。翁長さんは「海水浴や足を水に漬けることはしていたけど、やっぱりボディーボードで海に入るのは最高。みんなの笑顔が輝いていて、楽しくて幸せな時間だった」と話した。
 同実行委員会の上江田沢子さん(40)は「もともと波乗りの大会をやりたいと話していたが、出産や育児などが忙しく先延ばしになってしまっていた。今回は周囲の支えもあり、これだけの参加者が集まってくれたのでうれしい」と話した。
 翁長さんの教え子でもある前川明美さん(38)は「少しでも優子さんが元気になってもらいたくて参加した。久しぶりに会えてうれしかった」と語った。真境名隼人さん(36)は「たくさんの人が集まることで、優子さんの病気が少しでも回復すればいいと思った。海でつながった仲間が一つになれたと思う」と話した。

<irinamy波波DAY>末期がん闘病中の翁長優子さんを応援しようと集まった約80人のサーファーら=13日、北谷町の宮城海岸
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