【ブラジル】先人の労苦に感謝 移住99周年追悼法要


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先人の功績をたたえ、厳かに行われた開拓先亡者追悼慰霊法要=6月17日、サンパウロ市

 田場ジョルジ実行委員長は「6月18日は約半数が沖縄県人であった第1回移民船・笠戸丸がブラジルに着いて99回目の移民の日を迎える。今日のブラジル日系社会の基礎を築くために苦労した先亡者に対し、私たちは感謝の気持ちを忘れてはならない」とあいさつした。

 野村流古典音楽協会、野村流古典音楽保存会、琉球筝曲興陽会、琉球筝曲保存会のブラジル支部4団体の合奏による厳かな「88節」の曲が流れる中、献花の儀、献茶の儀(ぶくぶく茶道ブラジル支部)が行われた。献花・献茶の儀は、帰国した留学生・研修生の稲福カリナさん、具志堅克美さん、銘苅エレナ惠子さん、米田ルシアナまさみさんの4人が務めた。
 続いて、半田慈寺導師(曹洞宗両大本山南米別院佛心寺)が読経する中、2列に並んだ約100人の参列者が焼香を行った。
 与那嶺真次第一副会長と与那嶺フーベンス笠戸丸先駆者子孫代表が「言葉や風俗・習慣の異なるブラジルの地で、厳しい生活に耐えながら子弟教育に力を注いだ先人に感謝します。私たちはウチナーンチュの子孫として、日系社会、ブラジル社会の発展に尽くすことを誓います」とポルトガル語で追悼の辞を述べた。
 今回の慰霊法要では、開拓先亡者とともに、第2次世界大戦の沖縄戦で、看護要員として従軍し若き命を散らした高等女学校10校(9学徒隊)の乙女たちをはじめ、すべての戦没者の冥福を祈った。
(与那嶺恵子通信員)