【アメリカ】米政府、岸本奨学基金を認可


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米政府からの基金正式認可を喜ぶ岸本正之さん、多摩子さん夫妻

 米国ロサンゼルス在住の岸本正之さん夫妻が創設した「岸本奨学基金」がこのほど、米国政府から正式に認可された。岸本さんは2年前から名護高校の生徒10人前後に奨学金を送り、米国への短期留学を支援してきた。 基金が正式に認可されたことで奨学支援活動が公に、そして政府規約や基金約款に沿って行える。
 正式認可に岸本さんは「私たち夫婦が長年抱き続けてきた夢が実現した。これからも夫婦で力を合わせ、基金を活用して自然保護の使命に情熱を注ぐ若きリーダーの育成を目指したい」と、喜びを語った。
 認可書の交付には、特定銀行口座の開設義務や経理報告義務が必要で、弁護士に依頼し、3週間をかけて申請にこぎ着けた。岸本さんは「基金の正式認可で、奨学金提供者と受益者間の信頼関係も向上する」と話している。
 岸本さんは名護市生まれ。琉球大学を卒業後、ガリオア奨学資金(後のフルブライト)で米国に留学、日本航空に入社。同社の役員を経て、12年前に健康資材会社を、東京出身の妻・多摩子さんと2人で設立し、成功した。「(基金運営ができるのも)1995年に、夫婦で設立した会社が順調なおかげだ。夫婦で価値観、使命感を共有できなければ夢は実現できなかった」と、成功の秘訣(ひけつ)を話していた。
 同基金では今年10月に、第三回奨学資金受賞者が、10日間の日程でロサンゼルスを訪れ、観光や学校訪問、生徒間の交流などを予定している。
(当銘貞夫通信員)