【アメリカ】存在感、鮮明に 名護出身の宮里さん、初のファッションショー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ロサンゼルス市内で開催された宮里さん(左から5人目)主宰のブランド「Ryukyu Queendom(琉球・女王朝)」の初ファッションショー=6月30日

 ロサンゼルス在住のファッションデザイナー、宮里よしのさん(29)=名護市出身=は6月30日、ロサンゼルス市内のジャズクラブ「M」で初のファッションショーを催した。

発表したのは、宮里さんが主宰するブランド「Ryukyu Queendom(琉球・女王朝)」の最新コレクション約10点。「スペース(宇宙)」をコンセプトに、鮮やかな色使いと自由な発想で、未知の女性らしさを引き出した服の数々に、会場は大きく沸いた。
 「ビューティフル」―ショー終了後は、宮里さんに駆け寄って感激を伝える人や、モデルが着用していた服を購入したいと申し出る人も。映画会社勤務のブリー・ウィラードさんは「どの服も存在感が強く、流れるようなゆったりとした曲線がエレガントで美しい」と話していた。
 2000年に渡米した宮里さんは、アンジェリーナ・ジョリーなど、ハリウッド女優らも愛用する人気ブランド「LOTTA」を経て、現在は大手アパレルメーカー「ランパージュ」グループに勤務。その傍らで、ウチナーンチュ(沖縄人)としてのアイデンティティーをモチーフにした自身の手作りブランドを立ち上げた。
 「LOTTA」勤務時代、宮里さんがデザインしたアイテムは常に売り上げのトップ。デザインなどの技術や感性はもちろんだが、過酷なスケジュールをきちっとやりこなす正確さと根気を兼ね備えた仕事ぶりは、業界で高く評価され、転職というステップアップにつながった。
 自身のブランドを作ったきっかけは、「なんくるないさという沖縄人特有の精神性をファッションを通じて表現したい、希望や平和への願いをデザインに託して世界に沖縄を広めたいと思ったから」という。
 アメリカのファッション業界で実力を発揮しながらも華やかさに埋もれることなく、地道な努力を毎日重ねながら、「将来は沖縄に店を開きたい」という夢にも一歩ずつ近づいている。
 (平安名純代通信員)