【アメリカ】米月刊誌が琉舞特集 一糸乱れぬ動きを称賛


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ノースカロライナ州の月刊誌「Our State」の沖縄特集

 米国ノースカロライナ州で出版され、70年の歴史を持つ月刊誌「Our State」(販売部数10万部)が、5月号で琉球舞踊を6ページにわたり写真入りで特集した。特集では「Formal Dance」の見出しで、「基地の町は、人種の坩堝(るつぼ)。そんな町で生きる女性たちが自らの文化の集結として民族衣装に身を包んで伝統芸能を披露している。まさに琉球舞踊がそれである」と紹介している。

 「OurState」は旅の案内や地元の歴史や文化、そしてユニークな人たちを紹介し、愛読者にノースカロライナ州の良さを再認識してもらう目的で発行されている。
 記事は、昨年6月に行われた宮城流能松会のバーカー・上村多美子琉舞研究所ノースカロライナ支部の10周年記念公演会の模様を書いたもの。祝賀舞踊で老人にふんした踊り手や「海のチンボラー」を踊る県人の4歳の孫の姿などが写真で紹介されている。
 琉舞の印象については「踊り手全員が音楽に合わせて優雅に動き、踊り手たちの一糸乱れぬ息の合った動きは、まるでシェークスピアの文を1行たりとも変えないのと同じだ」と評している。
 また、琉球伝統芸能とノースカロライナ州とのつながりは「基地の町、ジャクソンビルとフェイエットビルで設立された両沖縄県人会のメンバーたちの沖縄への郷愁と芸能への情熱があったから」と紹介。各県人会のメンバーらが「上村教師の下でけいこに励み、地元のイベントに積極的に参加し、沖縄アピールに一役買っている」と書いている。
 記念公演については「ステージで日ごろの成果を見せた踊り手たちも観客も、そこがアメリカのノースカロライナ州である事を忘れ、沖縄を感じるひとときだった」と結んでいる。
 (鈴木多美子通信員)