【アメリカ】沖縄の工芸品に感激 スミソニアン博物館見学会


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 米国ワシントンDCのスミソニアン博物館に収蔵されている沖縄コレクションのワシントンDC沖縄会会員有志による見学会が、国立自然史博物館学芸委員の知念淳子さんの尽力でこのほど実現した。ペリー提督が持ち帰った品々や戦利品など約175点の中から主要な収蔵品を見学した。
 沖縄コレクションは13の博物・美術館で構成されるスミソニアン博物館の国立自然史博物館の収蔵庫(MSC=ミュージアム・ストレージ・センター)に保管されている。
 スチール製キャビネットの引き出しに収蔵された沖縄コレクションには紅型やかすりの着物、漆器類、玩具、生活感を漂わせるきせるや馬のくら、三線、陶芸品、大工道具など沖縄の伝統工芸品、生活用品が並んでいる。
 見学した沖縄会の敬子・カーデルさんは、「昔、男の子たちが遊んでいたイッパや粗削りの木のげたを見て懐かしい思いになった」と感想を語った。また、骨とう品が好きでアンティーク巡りをしている和子・サンフォードさんは「生活道具のミージョーキー、サギジョーキやたばこ盆、クバかさなどが祖父母を思い出させた。四つの花紋が入ったミンサー織りが印象的で、紅型もそのままの状態で保管されていた」と感激していた。
 案内した知念さんは、「これだけの沖縄コレクションなら博物館で沖縄コーナーとして展示できるが、予算がないのが残念」と惜しんでいた。
 ワシントンのスミソニアン博物館は、「知識の向上と普及」を提唱し、米国に遺産を寄付した英国人科学者ジェームズ・スミソンの基金で設立された。13のミュージアムからなり、収蔵品総数は約1億2500万個。うち展示されているのは数%と言われている。
(鈴木多美子通信員)