【アメリカ】トミタさん熱演 「オンリー・ザ・ブレーブ」上映会


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トミタさんと退役軍人で北米沖縄県人会メンバーのポール・バンナイさん=8日、ロサンゼルス

 第2次大戦時の日系アメリカ人部隊によるテキサス部隊救出劇を題材にした映画「オンリー・ザ・ブレーブ」のプレミア上映会が8日、ロサンゼルス市の日米劇場で行われた。

ヒロイン役を演じたのは県系3世の女優、タムリン・トミタさん。2回の上映会はいずれも満席。退役軍人や遺族ら約1500人が足を運び、映画終了後も総立ちで惜しみない拍手を送った。ロサンゼルスを皮切りにニューヨーク、ホノルルなど全米30都市で上映される。
 同映画は日系2世の志願兵で編成された米陸軍第442部隊が、ヨーロッパ戦線でドイツ軍に包囲された第141部隊(通称テキサス部隊)の救出劇を描いたもの。442部隊をテーマにした映画は米国では同作品が初めて。
 脚本・主演・監督を手掛けた広島系3世のレーン・ニシカワさん(サンディエゴ在住)は、「200人のテキサス部隊を助けるために、800人の日系2世部隊が命を懸けた。なぜか。見る人に考えてほしかった」と制作の動機を語った。
 上映終了後、出演者に駆け寄り、手を取り涙を流す退役軍人の姿も。友人に誘われて来た与那覇敦子さん(29)=那覇市出身=は「初めて442部隊を知った。日系人社会の歴史の複雑さが分かったような気がした」と話した。
 退役軍人で北米沖縄県人会員のポール・バンナイさんは、トミタさんに駆け寄り「素晴らしかった。これからもパイオニアとして頑張って活躍して」と激励した。
 トミタさんの母は沖縄とフィリピンの混血、父は日系2世の元米軍人。嘉手納基地生まれでロス育ち。1986年に2世週祭日本祭の女王に選出され、同年「空手キッドパート2」で女優デビュー。主な出演作は「ジョイラック・クラブ」「ピクチャーブライド」など。
(平安名純代通信員)