【ブラジル】移住100周年へ結束を 「さんしんの日」芸能祭


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 ブラジル沖縄県人移民100周年記念祭典の資金カンパを目的とした「さんしんの日・特別資金造成芸能祭」(知念直義実行委員長)が2日午後、沖縄県人会館大サロンで開催された。実行委員会によると、今回の資金協力者は800人近くに上り、約8万レアル(約500万円)が寄せられた。

 沖縄では3月4日に全島一斉に催される「さんしんの日」。ブラジルでは3年前から3月の第1日曜日に「さんしんの日」芸能祭が開かれている。
 会場には、「さんしんの日」にちなんで、笠戸丸移民の宮城伊八氏(読谷村出身)が19歳のとき沖縄から携えてきた三線が、保管箱や写真とともに展示された。伊八氏の四男・清信さん(72)=2世=は「革と絃は取り換えたが、皆さんが100年の音色といって喜んでくれて、とてもうれしい」と語っていた。
 今回は古典音楽・民謡・舞踊・太鼓などの琉球芸能団体と県人会、文化センター、協和婦人会、留学生OB会「うりずん」の13団体による共催で出演者は約400人。県人会館での今年初めての芸能イベントとあって、会場は立見席がでるほどの盛況ぶりで、来場者は沖縄の歌と踊り、太鼓の演舞、獅子舞などで1日を楽しんだ。
 与儀昭雄記念祭典実行委員長は、開会式のあいさつで、「100周年をみんなの力で成功させよう」と力強く呼び掛けた。与那嶺真次同財務委員長は「今日の催しに協力してくれたすべての方に感謝します」と述べ、ウチナーンチュの結束力をたたえた。西原篤一在那覇ブラジル連邦政府名誉領事からの祝辞も披露された。
 また、県人移民100周年への資金協力として、西原篤一沖縄ブラジル協会長から100万円、沖縄県字小禄財務管理運営会(高良忠清理事長)と仲里由子さん(嘉手納町字水釜在住)から各10万円、照屋デックスターさん(ハワイ在住)から2000ドル、そして「第1回さんしんの日」の余剰金が与那嶺財務委員長に手渡された。
 協和婦人会からは、会場で販売された沖縄そばやサーターアンダギーの売り上げの純益が協力金として贈られることになっている。
(与那嶺恵子通信員)