【アメリカ】生徒が方言で体験発表 寸劇など観客楽しむ


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3周年式典後、ケーキカッティングをするウチナーグチ・クラスのメンバー。中央が比嘉朝儀さん

 ここアメリカでもウチナーグチが見直されるようになって久しい。南カリフォルニア一帯に住む人を中心に開設したウチナーグチ・クラスがこのほど3周年を迎えた。
 このクラスでは比嘉朝儀前県人会長を講師に、毎月2回県人会館で生徒約30人が受講している。11月27日には県人会館山内ビルで3周年記念式典を盛大に開催した。集まった100人余りの観客は、生徒20人の発表を楽しんだ。

 自分の体験を基に自己表現をする者、沖縄料理の作り方、沖縄に旅した思い出、自分のルーツ、趣味、けがからの回復、そしてグループで寸劇をしたりで、普段勉強したことを発表した。
 「イチマン・ミヤラビ・トウ・ウミンチュ(糸満美童と海人)」の時代寸劇ではウミンチュを演じるケン神谷さんとペルー2世のペドロ・アゲナさんが、チルー役を演じる五美ジャコモさんに恋をし、奪い合うシーンで、セリフが長すぎて覚えられず、エーク((櫂かい))に記したメモを盗み見ながら演じたため、観客が爆笑した。
 シナリオはすべて比嘉さんが作成、英語と日本語に翻訳してある。生徒はアメリカ3世、4世で、ヨーロッパ系アメリカ人ジュリアン・イーリーさんやペルー2世もいる。日本語を理解しない人たちが大部分を占める。
 司会者の呉屋君子さんは出演者をあらかじめ英語で紹介、日本語でも補足した。このあと生徒全員に卒業証書が比嘉さんから手渡された。文化部長の徳永愛子さんは、ウチナーグチが沖縄の歴史および文化を学ぶ上でいかに大切であるかを琉球新報の記事を例にとって話し、「今後も勉強を継続していって沖縄をより深く理解してください」と生徒に激励の言葉を贈った。
 横浜出身の横井夫妻が駆け付け、八重山民謡の数々を披露し、式典に花を添えた。TJS(チーム・ジャパニーズ・ステーション)ラジオは当日のもようを南カリフォルニア一帯に実況放送した。
(当銘貞夫通信員)