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「自分と社会はつながっている」高良吟二さん <私たちのSDGs GSCOメンバー紹介 8 >


「自分と社会はつながっている」高良吟二さん <私たちのSDGs GSCOメンバー紹介 8 >
この記事を書いた人 琉球新報社

高良吟二 – Ginji Takara – 琉球大学/EF Polymer株式会社

沖縄県出身。大学入学後、ベトナムの孤児院での子供達との出会いがターニングポイントとなり、社会問題に関心を持つ。その後、ビーチクリーンなどの活動を始める。現在はコンポストの普及や販売などを行ったり、嘉手納町一般廃棄物減量等審議会委員など地域内の資源循環の促進を目指す。また農業系ディープテックスタートアップEF Polymer(株)で事業開発/カスタマーサクセスなどを行う。

 ―問題意識を持つようになったきっかけを教えてください。

 私は大学1年生の時に、ベトナムの孤児院を訪問する機会がありました。学校に通えなかったり困難を抱えていながらも、キラキラ輝く子供達の笑顔がとても印象的でした。その経験から、日本に住む私達が出来る事は何だろうと考え、国際協力や社会問題に関心を持ちました。それから、ビーチクリーンなど様々な活動をする中で、社会や環境に意識を向けて生活する心の豊かさに気づきました。

 社会課題解決/環境配慮は自己犠牲のイメージもまだ強いかと思いますが、「想い」のつまった食べ物/製品を使う、自分と社会の繋がりを意識する事が、個人の豊かさと社会全体の豊かさ、持続可能な社会に繋がると信じています。

 ―そのために現在どんな取り組みをしていますか。

 私は2つの事をメインにやっています。一つ目が、コンポストの普及活動です。コンポストの販売や、環境学習、フードイベントで出る生ごみを土に還して、ハーブを育て、イベントで提供するといった食循環プロジェクトなどを行っています。コンポストを通して、自然と触れる時間を日常に取り入れる楽しさを広めていきたいです。

 2つ目は「EF Polymer株式会社」での事業開発です。EF PolymerはOIST発の農業系スタートアップで、オレンジの皮などの作物残渣から100%オーガニックの超吸水性ポリマーを製造しており、農業における水不足や、畑から持続可能な生活を目指している会社です。農業という生活のインフラとなる分野から、沖縄の持続可能な社会の実現を目指しています。

 ―どのような沖縄にしていきたいと考えていますか。

 個人の豊かさと環境配慮や社会が良くなる事がイコールな沖縄を目指していきたいです。

 沖縄は個人と社会との心理的/物理的距離が都市部よりも近く、海洋プラ問題や食料自給、貧困など多くの社会課題が身近にあると思っています。例えば「食」。食料自給などの課題もありますが、農の楽しさ、大切さを身近に感じる事が出来ます。「基地問題」も、どうやったら世界中の人と平和に暮らせるのかを自分事化できます。課題が身近にあるからこそ、自分と社会を繋げやすい。社会をよりよくする事=個人の豊かさに繋がる沖縄を創っていきます!