「ソニー坊や」の隣にいる丸顔の子は誰?【島ネタCHOSA班】


社会
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先日、ドライブがてら本部町のソニー坊やを見に行きました。すると坊やの隣に女の子がいるではありませんか! あの女の子はいったい誰ですか?

(那覇市 ハニー)

そうそう、いるんですよ! 女の子が! 調査員もうわさは聞いていたので、ぜひ実物を見に行きたいと思っていたところです。それではさっそく本部町へGO!

ソニーちゃん

那覇から本部町謝花にやってきました。確か国道505号沿いにソニー坊やがいるはずなんですが…。あっ、いました。その隣には女の子もいます!

仲良く並んだソニー坊やとソニーちゃん。周辺も整備され、癒やしの空間になっている

調査員はソニー坊やと女の子についてお話を聞くため近くの謝花行政区公民館に電話。すると、区長の上原正史さんが大田武男さんを紹介してくれました。大田さんは5年ほど前からソニー坊やの色を塗って修復したり、季節ごとに手作りの衣装を着せたりしている人です。

(左から)大田武男さんと上原正史さん

「ソニー坊や一人だけだと面白くないから、女の子を作りました。名前は『ソニーちゃん』。ソニー坊やの妹です」と話す大田さん。昨年、制作されたというソニーちゃんは、丸顔に少し膨らんだ頬でほほ笑んでいます。首がないのが玉にきず、(あ、手もない…)。でもかわいいから大丈夫!

ソニーちゃんの土台はコンクリートを入れたドラム缶。胴体は百円ショップで購入したワイヤーネットや鉢スタンドなどで形を作り、上からコンクリートで覆っています。足は塩ビパイプでできています。

大田さんはソニーちゃんを作ったときに、近所の人から「あんたの彼女か?」と冷やかされたといって笑います。また、子どもたちからは「ソニーのおじさん」と呼ばれたりもするそうですよ。

「あ」の謎

ソニー坊やとソニーちゃん、2人仲良く並んだ姿はほほ笑ましいですね。あれ? ソニー坊やの土台に「あ」と書かれていますが、あれはいったい?

お話によると、土台を塗り替えたときに残された文字だそうです。ここにはもともと、交通安全の標語「あげた手に にっこり笑って待つゆとり」と書かれていたんです。…で?  「あ」だけ残す理由が分かりません(笑)‼

もともと土台には標語が書かれていた

上原さんは「『あ』のあとは『あ、危ないよ』でもいいし、見る人がそれぞれ考えていただければ」と話します。なるほど~。すぐそばには小学校もあるので子どもたちや、通りすがりの人たちがいろいろ考えて楽しんでもらえたらいいですね。「あ」から始まる標語募集、なんてどうでしょう?

ところで、ソニー坊やとソニーちゃんの衣装を制作する大田さんは、一時期、県外でバッグ作りの仕事をしていました。そのため、ミシンの扱いはお手のもの。手先が器用なんですよ。

「寝ているときに衣装のアイデアが浮かぶこともあるので、忘れないよう書き留めています」とのこと。「前は色が剝げて存在感もなかった」といいますが、今ではソニー坊やたちを見にくる人が多くなりました。

「謝花行政区公民館への目印にもなっているソニー坊やたちは、地域の癒やしのシンボルです」と上原さん。公民館で遊んでいた小学1年生の男の子は「服装が変わるから面白い。いつも楽しみー」と話してくれました。

今月いっぱいは、ひなまつりと三線の日にちなんだ衣装を着ているソニー坊やとソニーちゃんが見られるそうです。ぜひ見に行ってみてはいかが?

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ちなみにソニー坊やは本部町の他、うるま市、宜野湾市、西原町、糸満市にいます。数カ月前の目撃情報では、糸満の名城ビーチの坊やは大型ホテル建設に伴い、現在は毛布でぐるぐる巻き状態で養生中だそう。こちらの坊やにも早く会いたいと思う調査員なのでした。

(2020年3月5日 週刊レキオ掲載)