まんがで伝える沖縄戦　南洋からの問いかけ（前編）

R1…南洋群島

太平洋西部の赤道以北にあるミクロネシアの島々を指します。第１次世界大戦まではドイツが統治していましたが、1919年に結ばれたベルサイユ条約によって日本の委任統治領になり、多くの日本人が移住します。太平洋戦争が始まる前の39年の時点でサイパン、テニアンなど南洋群島の島々には約７万７千人の日本人が住んでいました。その約６割がサトウキビ畑などで働く沖縄県出身者でした。南洋群島で生まれた子どももたくさんいました。

R2…日本人の引き揚げ

太平洋戦争で日本軍が厳しい戦いを続けていたことから、日本政府は1943年12月以降、南洋群島に暮らす日本人のうち、お年寄りや女性、子どもたちの日本引き揚げを進めます。しかし、日本人が乗った船が米軍の潜水艦による攻撃で沈められ、多くの人々が犠牲になりました。船内が清潔ではなかったため、病気や飢餓がまん延し、母国へ帰る前に亡くなってしまう人もいました。