ミスマッチな動画で人気者に
昭和歌謡が音楽ルーツで、楽器隊4人の総体重は540キログラムを超え、TikTok(ティックトック/ショートムービーを視聴できるSNS)のフォロワー数は約18万人など、話題たっぷりのデラックス×デラックス(通称:デラデラ)。迫力ある歌声・演奏・パフォーマンスで、聞く人・見る人の心を揺さぶっている。6月に発売したフルアルバムのことや東京拠点の活動について、アサガオさんとサクラさんに語ってもらった。
「かもめが翔んだ日」や「ダンシング・ヒーロー」ほか1970~80年代人気曲のカバー動画をSNSで公開、2020年ごろから注目を浴びたデラデラ。
「沖縄の風景をバックに歌った動画の視聴数が伸びていったんです。これほどまでに青い海と空が似合わない集団はいないでしょ!?そのミスマッチ感が多くの人に届いたと思います」と笑顔で語るアサガオさん。
確かに衝撃的な動画だが、それらはデラデラを知る入り口。大迫力の歌声、高い演奏力とキレのあるダンス…見れば見るほど気になる存在になっていく。先月リリースした待望のファーストフルアルバム「千紫万紅(せんしばんこう)」は、ジャンル豊富な楽曲を収録し個性あふれるメンバーの魅力も表現した。
「この2~3年ライブで披露してきた曲を選び、セットリストを組むように曲順を決めました。私たちを知らなくても前半5曲で引き込まれると思います」(アサガオさん)
「全曲大好きですが、おすすめを選ぶとしたら『抱かれてたいのよ』。アタシたちのコンセプトである昭和歌謡に近いテイストの歌詞やメロディーながら、間奏は現代風にブラッシュアップできたと思っています」(サクラさん)
オリジナルもカバーも収録し、2人いわく「おもちゃ箱のようなアルバム」とのこと。世代問わず楽しめそうだ。
恋しいのは沖縄の食文化
結成当時は自分たちが音楽を楽しむ気持ちで、県内を拠点に活動していたデラデラは、3年ほど過ぎて「誰かを楽しませたい」という思いが湧き出てきたとのこと。そして全員での上京を決意した。
「何かあるはずと待っているだけではダメ。日々のチャンスを生かす環境に身を置き、未来に向かっていきたいと考えるようになりました。SNSのフォロワー数が増え、関係者の後押しもいただいて上京を決めたのは一年前です」(アサガオさん)
「沖縄にいる方が安心して生活できますが、去年の東京ライブは2回ともチケットがすぐに売り切れました。全国区で渡り合える集団になった、ライブを見たいと思ってくださる人がたくさんいるんだと実感でき、上京に乗り気になりました」とサクラさん。「東京では忙しくてホームシックになる暇がありませんが、胃袋だけは沖縄が恋しい」と話を続ける。「沖縄そばもタコライスも大好きで、おなかがすくと食べたくなります。沖縄だったら夜中でも車で出掛けられるのに、東京はつらい!」と笑った。
12月にライブ決定!
現在のデラデラは北海道から沖縄までを回る全国ツアーを開催中で、10月まで続く。
「初上陸だった九州は観客がいるか不安でしたが、福岡は超満員といえるほどパンパンで熱気が伝わりうれしかったです」(サクラさん)
「メンバー全員でいろんな会場に行くのが目標でしたから、初めて実現して楽しんでいます。応援してくれる人が各地にいるのは大きな喜びですし、その土地の名物料理を食べられることもうれしい(笑)」(アサガオさん)
沖縄公演について聞くと、6月の桜坂セントラルライブのチケットは早々と売り切れ、大成功の内に終了。次回は12月、コザミュージックタウン音市場で開催するとのこと。
「出身地でホームでもある沖縄に帰ってくる度に、私たちの変化を見ていただきたいです。ウチナーの心は忘れませんし、いつまでも活動を追い続けてほしい。6月は全国ツアーを経て大きくなったアタシたちを沖縄のみなさんに見てもらえて良かったですし、12月も応援お願いします」(サクラさん)
「全国各地に行きいろんな意味で大きくなっていますが、年末にはさらに大きくなって帰って来ます。ひと回りもふた回りも大きく成長した私たちを、音市場で見ていただきたいです」(アサガオさん)
デラデラの最大の魅力は、やはりド迫力で攻めてくるパフォーマンス。年末のライブで体感してほしい。
(饒波貴子)
◆フルアルバム「千紫万紅」
14曲入り好評発売中!
(2500円/税込み)
◆「廻れ!! 百花繚乱ツアーファイナル」
日時:12月9日(土) 開場18時/開演19時
会場:コザミュージックタウン音市場(沖縄市上地)
前売り:3500円(税込み)
※最新情報はホームページでチェック
https://www.deradera.club/
(2023年7月27日付 週刊レキオ掲載)