中学受験する?しない?(3)受験生の保護者に聞いてみた


中学受験する?しない?(3)受験生の保護者に聞いてみた
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 なぜ、中学受験をするのでしょうか? どんなことを重視して学校を選んでいるの? 塾はいつから通っているの? 琉球新報styleは受験を考えている沖縄県内の小学5、6年生の保護者20人に聞いてみました!(  )内は子どもの学年、性別、小学校の地域です。

なぜ受験するの?

塾の壁に貼られた県内外の中学校の生徒募集のポスター

 受験する理由で最も多かったのは「同じ志を持った生徒と保護者たちと落ち着いた環境で6年間を過ごしたい」(5年・女・南部)、「教育の質の高い学校に入学させ、高い学力を身につけさせたい」(6年・男・中部)など、中高一貫校の最大の強みでもある学習環境の良さに親がひかれて希望するパターン。

 次に多かったのは、「兄の影響」(6年・男・南部)、「仲の良い友達の影響」(6年・男・南部)など、子ども本人が身近な人の影響を受けて希望するパターンでした。

 「地元の中学の教育環境が心配」(6年・女・中部)、「公立中の場合、部活動への傾倒や評定のための勉強となる恐れがある」(6年・男・中部)といった地域の中学校の環境を不安視して受験を選択する人もいます。

重視することは?

 県内には県立中高一貫校が3校あるほか、複数の私立中高一貫校がありますが、学校選びで保護者が最も重視するのは「子どもの意向」が15人と最も多く、「校風」13人、「大学合格実績」7人と続きます。中学、高校は子どもが思春期の6年間を過ごす場所。親たちは子どもの意向や子どもに合う校風かを重視していることがうかがえます。

 今回、アンケートに答えたのは、那覇市近郊に在住の方が多かったこともあり、受験予定校は沖縄尚学中が12人で最も多く、次に昭薬中と開邦中が9人でした。

 今年度の入試は県立中3校が12月11日、沖縄尚学と興南が年明けの1月8日、昭薬が1月22日。3つの県立中は同じ日に試験が行われるので、県立同士の併願はできませんが、県立と私立の併願は可能です。そのため、県立と私立を併願する子は11人いました。県外の中学もあわせて4校を受験する予定の子もいました。

 ある保護者は「近所の高校が中高一貫校となったので、興味を持ち始めて調べていくうちに私立の受験も考えるようになった」と答えました。「昨年度は県内私立中も軒並み受験者が増えた」と塾の先生たちは話します。県立中高一貫校ができたことで、中学受験熱が高まっていることの現れと言えるでしょう。

学校以外の勉強も

 塾には20人中17人が通っており、そのうち9人は5年生から通い始めています。多くの塾が中学受験クラスは4年生から設置(授業は3年の3月からスタート)されていますが、今回アンケートした人で4年生までに塾に行き始めたのは8人にとどまりました。

 通信教育も8人が過去に受講していたり、現在も受講していると答えており、学校以外での勉強習慣がついていることが分かりました。

親たちの不安は?

 気になることや不安なことで一番多かったのは、「塾の費用は30~40万円。もう少し安く!」(6年・男・南部)といった声や、「経済的なことを考えると私立は難しい」(6年・女・南部)、「入学してからの費用はいくらかかるのか」(6年・男・南部)といった塾や入学後の学費などを含めた費用のことでした。

 次に多かったのは「万一、受験に失敗したらと考えたら超不安」(6年・男・南部)、「失敗した場合、公立中での周りの目や言葉からどのようにサポートできるのか」(6年・女・南部)という不合格だったときのことです。
 このほか、「受験勉強でカバーする範囲が広いため、勉強以外の活動が制限されてしまっている」(6年・男・中部)、「部活をしているので、勉強との両立のため時間の管理、健康面、精神面のサポートに気を遣う」(6年・男・中部)という声が寄せられました。

 4回目(8日公開予定)は保護者の不安に専門家がお答えします!

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~この記事を書いた人~

 玉城江梨子(たまき・えりこ) 琉球新報style編集部。今年3月までは編集局社会部の記者(=紙の新聞の記者)として医療・福祉や沖縄戦などをテーマに取材。子育て中であることや自身が私立中、高校出身のため、県内で盛り上がる中学受験に興味津々。