沖縄お笑い界のツッパリNo.1!? <ドラゴンエマニエル きっぺいさん>が本音を暴露?◇沖縄芸人ナビFILE.6

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「初恋クロマニヨン」松田正(まつだ しょう)さんが芸人をインタビュー! 今回はFECを訪ね、ドラゴンエマニエルのきっぺいさんと語り合いました!



FEC所属、ドラゴンエマニエルのきっぺいさん(左)とナビ芸人の松田正さん。(よしもとエンタテインメント沖縄所属

ナビゲーターの松田正です。芸人の僕が芸人さんをインタビューするこのコーナー。今回はFECのきっぺいさんを訪ねました。きっぺいとしょうごの「ドラゴンエマニエル」のことを、僕は沖縄お笑い界のつっぱりコンビだと思っています。みなさんもそうですよね(笑)!? 本人はどう思っているのかなど・・・迫ります!



沖縄を代表するつっぱり芸人?



松田ナビ:ドラゴンエマニエルは、つっぱりコンビという印象(笑)。そういうイメージを出すように意識してますか?

きっぺい:そんなに意識はしていませんが、自分のトゲは抜かないようにしています。例えば賞レースの審査員に対しての姿勢をはじめ、どんな時でもです。

松田ナビ:いろんなところで強めにコメントして、言いたいこと言っているな〜という印象。それでも優勝するなど結果を残しているからスゴイ!

きっぺい:へり下る必要はないと思っていますし、なんなら上から行くくらいの感覚です。それがつっぱりに見えるかもしれませんけど。僕は正さんのことは、つっぱり仲間だと思っていますよ(笑)。

松田ナビ:いや、僕は20代前半の頃はそういう雰囲気あったけど、今はだいぶなくなった。28歳のきっぺいがつっぱり続けられているってのは、沖縄では稀な存在。ネタの多くもつっぱり系だと感じます。

きっぺい:そうですね。伝わらなくてもいいかな、という感覚もありますから(笑)。

松田ナビ:相方のしょうごと、コンビを組んだきっかけは?

きっぺい:中学と高校が一緒で野球部員でした。野球部って学校のにぎやかし的な存在なので学園祭で、しょうごと漫才をやったんですよ。それがウケて、流れでFEC主催の「フレッシュお笑い選手権」に出場し、いい感じだったのでお笑いを続けてきました。

松田ナビ:久米島出身だけど、その時はコンテスト出場のためにわざわざ那覇に?

きっぺい:大学進学のため那覇にいました。しょうごは有名人になりたかったらしく、「ミュージシャンになろうかな」とか言っていました。でも、ネットでFEC の選手権を知ってお笑いに本格的に挑戦しました。

松田ナビ:お笑いの始め方が俺たちと全く一緒! 俺たちも「フレッシュお笑い選手権」から始まった。家の前の電信柱に貼られていたチラシを持ち帰ったのがきっかけで、この世界に飛び込んだわけ(笑)。「新春!oh笑いO-1グランプリ」では初出場で優勝しましたよね。

きっぺい:最初は予選落ち。2回目で優勝できました。当時は大学2年生で、本格的に優勝を目指していたというより、単純に自分たちのお笑いを見せられるのが嬉しい、しかもモテそうだしっていう軽い感覚でしたけどね(笑)。

松田ナビ:あの頃、本戦初出場で優勝した人はいなかったはず。新しい世代が出てきたセンセーショナル感がありました。学生時代は、どんな生徒でしたか? 

きっぺい:高校生の時はリーダー願望があり、生徒会長やっていました。しょうごは中学校の頃、面白くて人気者でしたよ。でも彼は、高校では普通科じゃなく園芸科に行って、ヤンキーに囲まれながら農業していました(笑)。



神様に近い!? 無感情男



松田ナビ:なるほど(笑)! ドラゴンエマニエルは2人のパワーが強く個性もあると思う。もう長くやっているけど、ネタ作りなどはどうしていますか?

きっぺい:以前はしょうごがネタを作っていました。徐々に僕もアイデアを出してネタ作りの割合が半々になり、今は僕がちょっと多い。90対10の割合かも(笑)。

松田ナビ:ほとんどきっぺい・・・(笑)。「O-1グランプリ」は3回も優勝していますよね。初優勝時はどんな心境でした?

きっぺい:僕は良くも悪くも、感情の起伏がないんです。優勝してもしなくても、嬉しさも悔しさも・・・ほぼないんですよ。なので、優勝した時も普通でした(笑)。

松田ナビ:確かに感情を見せない不思議な人! でも初優勝は嬉しかったのでは!?

きっぺい:嬉しさを自分なりに表現していたんですけど、そんなに熱くならなかったです。ミスチルの「しるし」という曲に「半信半疑=傷つかない為の予防線」という歌詞が出てくるんですけど、そのまんま。何かに対して100%の気持ちで向かうと、失敗した時に落ち込んじゃうので。

松田ナビ:じゃ〜人とかにもあまり期待しない!? 期待したら裏切られることもあるじゃないですか。

きっぺい:期待しません(笑)。賞レースに対しても、いろいろ挑戦して受かったらラッキー、落ちてもいいかくらいの感じですね。

松田ナビ:それがドラゴンエマニエルらしさかも(笑)。 「絶対優勝する!」とか、しょうごも思わなさそう。

きっぺい:彼はなさそうに見えて気負っている部分もあるので、僕とは違う感覚かもしれません。ほぼ無感情の僕は最近は寂しいとか幸せとかさえ思えなくなりました。普段「幸せだ~」って思いますか?

松田ナビ:俺は小さな幸せを感じる時あるよ。何気なく入ったコンビニで好きなマンガの新巻見つけたら、「やった!」って思い、買って幸せだし(笑)。

きっぺい:幸せとか悔しいとか感情がなくなった僕は、人間として欠落しているのかなって思っています。でも逆に考えたら・・・神様に近づいているのかな!?

松田ナビ:悟り始めている(笑)。無感情な人がお笑いやっているって不思議。芸人の多くは、人を笑わせて気持ちいいからやっているわけでしょ。脳内麻薬じゃないけど、笑わせるのが快感だったりするわけで。だからスベっても「次は笑わそう」と頑張る。ウケた時の気持ち良さみたいのはない?

きっぺい:それは唯一あります! その感情だけが僕を人間として繋ぎ止めてくれている(笑)。

松田ナビ:長期的な目標を具体的にこなすというよりも、その場に集中してお客さんを笑わすぞ、という気持ちなのかもな。

きっぺい:そうです。だから賞レースでは審査員よりもお客さんを笑わせることを優先。

松田ナビ:それは大事! 賞レースではみんなバランスを気にして、賢くいこうとするさ。周りの声に左右されず、我が道を行っている沖縄芸人の筆頭がドラゴンエマニエル。そこが魅力だと思います。



コンビで人間性を出す勝負




きっぺい:初恋クロマニヨンさんのある漫才を見た時、3人の人間性があまり出ておらずもったいないと思ったネタがありました。

松田ナビ:そうね。結局人間性みたいのを出していかんとな、っていう感覚になったことがある。きっぺいは自分たちのネタで「俺らの人間性バリバリ出していこうぜ」みたいなのある?

きっぺい:「出して行こうぜ!」ってまではないですが、勝手にしょうごが人間性を出してくるので、僕も負けじともっと出そうとします。それがいい感じになっているのかな。

松田ナビ:そう思う!ドラゴンの漫才は人間らしさがある。どこか可愛らしさもあるし(笑)。素晴らしい人格者の人がやっている漫才なんて、別に見たくない訳よ。

きっぺい:そうですよ。成功者の漫才って何もおもろない。

松田ナビ:貧乏だったり感情が欠落していたりっていう、人間としてダメな人たちが立ち話しているからこそ漫才は面白い。ドラゴンはそういう系統の漫才になっているかもしれない。

きっぺい:普段幸せって思うことなくても、ステージでお笑いしている時は楽しいです。実は小学校の時に病気になったことがありました。その頃から周りにナメられないようにしようって考え始めて、感情の起伏を人に見せないようになってきたんでしょうね。

松田ナビ:そこからの積み重ねが、今のきっぺいになっている感じする。お笑いを続けているとモチベーションの浮き沈みがあるけど、一番高い時を100%だとしたら今は?

きっぺい:割と低くて、え〜っと・・・15%(笑)。

松田ナビ:で~じ低い!辞める間際だな(笑)。15%のモチベーションしかなくても、今は事務所の若手メンバーを引っ張っていく立場じゃないですか。

きっぺい:先輩と若手でライブが分かれて、モチベーションが低くなったのが正直なところです。見本である先輩たちを越えようと燃えるタイプなので、先輩が同じライブに出なくなり熱さがちょっとなくなってしまいました。逆に後輩はめっちゃ苦手(笑)。リーダーになろうと思った時期がありましたが、向かなかったので交代してもらいました。

松田ナビ:俺も先輩の方が喋りやすいので、気持ちはわかる。でも、荒くれ者のきっぺいが意思を隠して、若手を引っ張っていく空気感はかっこいいって思っていた。でも、きっぺいは自由な方がいいのかな。



「ど〜も久米島でした」って何!?



松田ナビ:FECは、きっぺいにとってどんな事務所ですか?

きっぺい:在籍約8年で自由にやらせてもらっています。社長の山城智二さんが芸人なので僕たちを理解してくれます。

松田ナビ:それは本当に素晴らしい! ネタ終わりでよく「ど~も久米島でした」って言うのはどういう策略?

きっぺい:久米島の話題を入れたネタ作りを、基本にしていたんですよ。出身地だし、僕らの自己紹介の意味も込めて。でも久米島ネタも尽きた時、「ど~も久米島でした」って言い始めてみました。「久米島出身ですよ」ってアピールしているんです。

松田ナビ:めっちゃ言葉足らず(笑)。地元に対する誇りはある?

きっぺい:そんな好きじゃない・・・ですけど(笑)。帰ったらやっぱり安心する場所。地元の友達が一番だなと思います。

松田ナビ:俺も出身地の読谷が好きだから、生まれ育ったところは好きという気持ちに近いかも。コンビの持ち味、そして個人の持ち味について教えてください。

きっぺい:「ドラゴンエマニエル=しょうご」かな、って僕はずっと思っていて。彼は個性的であまりいないキャラクター。なので、しょうごがネタで生きればいいと思っています。ネタ作りの時も、しょうごが言ったらウケるであろうフレーズを中心に考えています。

松田ナビ:確かに、沖縄では唯一無二の存在。ネタ合わせは2人で立ちながら?それとも書いた台本を見ながら?

きっぺい:「こういう設定どう?」と2人で喋りながら作っていくのが多いです。僕の持ち味は前に出ていくしょうごに負けないように、ツッコミに自分の要素を入れながらアレンジし、面白フレーズを言うようにしています。

松田ナビ:沖縄の芸人さんで、フレーズでツッコんで勝負する人は多くない。フレーズはみんなの憧れだけど、ネタに組み込むのはなかなか難しい。例えば俺が考えたフレーズを相方に言わせても、相方の言葉じゃないから上手くハマらないことがある。きっぺいは自分で自分のフレーズをしっかり考えているから、上手くいっているんだろうな。

きっぺい:そうかもしれないですね。人が考えた事を自分の中に落とし込むのは大変。でもしょうごはこういうフレーズ言ってほしいって時、予想を超える面白さで何かを言ってくれるんです。

松田ナビ:相方から求めているものを超えてくる返しが来るなんて、一番でかいこと! 長く続けていけるよ(笑)。話は変わって、今の沖縄お笑い界のことをどう思っていますか?

きっぺい:よしもと沖縄さんが出来て、群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)感が出てきましたよね。でもギャランティーの相場が高くない現実はつらい。もうちょっとギャラが上がってくれたら、より激しく戦えるのかなって思っているんですけどね。

松田ナビ:そんな風に思うんだ?

きっぺい:ギャラが上がるとやりがいがある(笑)。最近だと、SNSでオリジンのリップサービス・榎森さんの「せやろがいおじさん」が有名になりました。我々FECでは、護得久栄昇(ごえく えいしょう)先生が出てきました。全国へのつながりができたって思いますね。

松田ナビ:それなりにギャラをいただき、蓄えはほしいよね。でもきっぺいが、全国へのつながりとか言うなんて・・・(笑)! きっぺいは、どんな人に影響受けてきましたか?

きっぺい:こきざみインディアンさん。もーりーさんのツッコミが面白い! 真似したいと意識したのは、アンタッチャブルの柴田英嗣さんです。FEC内では先輩の知念だしんいちろうさんや知念臣悟さんが好きです。でもいつの間にか僕が2人を通り越して、逆に参考にされている気が・・・(笑)。

松田ナビ:きっぺいがどう思うかわからないけれど、きっぺいと俺って似ていると思うことあります。

きっぺい:僕もマジで思います。沖縄お笑い界で一番近いのは誰かと聞かれたら、「正さん」と答えると思います。1人が好きで、楽屋などではみんなと普通に喋りますが、基本あまり人に興味がないので・・・。

松田ナビ:人に興味ないっていうのが一緒やっさ~、今インタビュアーしているけど(笑)。好きな人には興味あるんだけどね、俺も楽屋とかでめっちゃ喋るタイプではない。

きっぺい:それくらいがいいですよ。話しかけてくれる人もいますが、どちらかといえば僕は1人がいい。

松田ナビ:ドラゴンエマニエルは、そんな奴ら(笑)。最後に展望を聞きたいです。

きっぺい:今から髪を切りに行く予定で・・・その後は深く考えていません(笑)。なるようになるかなって感じなので。

松田ナビ:目の前にいるお客さんを笑わせること!

きっぺい:そうですね。毎月開催の定期ライブ「お笑い劇場」は、お客さんを一番笑わせる気持ちで毎回やっているので、その気持ちを継続します!

松田ナビ:やっぱり大きな目標というよりそこなんだ。きっぺいは、生活環境など変わったらさらにパワーアップするような雰囲気のある芸人さんだと思いました。





【対談を終えて・・・】

☆きっぺい さん☆
うれしいインタビューでした! 正さんだから僕に話を聞いてくれたはず。他のインタビュアーだったら、絶対僕のところには来ませんよ(笑)。フォーカス当ててくれて、マジでうれしかったです。

☆松田ナビ☆
モチベーションの低ささえも笑いにしているのがドラゴンエマニエルのきっぺい。人間がお笑いやっているなって思わせる芸人さんですね。賞レースで結果も出しているし、これからも注目です!




【プロフィール】


★きっぺい/ドラゴンエマニエル

本名:喜久里 航平(きくざと こうへい)
生年月日:1990年10月23日
身長/体重:183cm /65kg
出身地:久米島町
趣味・特技:野球
Twitter:@saburo2​

 

★松田 正(まつだ しょう)

生年月日:1984年8月22日
身長/体重:178cm /70kg
出身地:沖縄県読谷村 
趣味:ソフトボール/漫画
特技:野球
Twitter:@hatsukoimatsuda

 



 


【インフォメーション】

FEC <おでかけライブだ!お笑い劇場>


◆in恩納村
~豆まきしながら恩納村で福は内~

日時:2019年2月3日(日) 17:00~(30分前開場)
場所:恩納村コミュニティーセンター
料金:前売り1000円 当日1500円(高校生以下半額)



◆in読谷村
~読谷で今日は楽しいひな祭り~

日時:2019年3月3日(日) 17:00~(30分前開場)
場所:古堅公民館
料金:入場無料!

お問い合わせ:FECオフィス ☎️ 098-869-9505
公式サイト==> http://www.fec.okinawa



<よしもと沖縄花月>
東京や大阪で活躍芸人、沖縄所属の芸人も舞台に立つ『よしもと沖縄花月』は365日毎日営業中! お友達とご家族と、気軽にお越しください。
那覇市前島3‐25-5 とまりんアネックスビル2F
お問い合わせ:チケットよしもと 0570-550-100 
公式サイト==>  http://www.yoshimoto.co.jp/okinawakagetsu




執筆:饒波貴子(フリーライター)

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。




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