2月に入り、複数の「アルバイトスタッフの非常識な投稿」が炎上し、話題になっています。
回転寿司のチェーン店「くら寿司」では、アルバイトスタッフがごみ箱に捨てた魚をまな板に戻す動画がSNSに投稿され、炎上。運営のくらコーポレーションが「当社従業員による不適切な行為とお詫びについて」と謝罪しています。
http://www.kura-corpo.co.jp/release/pdf/20190206.pdf
また大手コンビニチェーン・セブンイレブンでも、アルバイトスタッフが勤務中におでんの白滝を口に入れて出すなど、ふざけた様子の動画が撮影されネット上に投稿。こちらも炎上しています。
そのほかにも、「すき家」「ビックエコー」「バーミヤン」などの大手チェーン店でも、同様のアルバイトスタッフの非常識な行動がネットに投稿され、炎上しています。
すき家 ゼンショーグループ「当社従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ」
https://www.sukiya.jp/news/2019/01/20190131.html
ここまで同じような問題が続くと、特定の会社の社員教育の問題ではなく、社会問題として皆で考える必要が出てきます。
2013年にも同じような現象が多発
アルバイトスタッフによる非常識な動画投稿は、2013年にも多く発生し、社会問題化しました。この時も大きな話題となりましたが、今から6年前の話です。
現在18歳の学生であれば、当時は12歳で小学生。意識してニュースを見ていなかったかもしれませんし、当時はスマートフォンを使っておらず、他人事として捉えていたかもしれません。
2013年の騒動を知らずに繰り返してしまったのであれば、また数年後にも同じような事態になるでしょう。今はスマートフォンを持っていない子供たちにも、しっかり啓発する必要があります。
2013年の騒動の時はTwitterに投稿された非常識動画が炎上しました。しかし今回の騒動は、「Instagramのストーリー機能→Twitterで炎上」という流れが増えています。
Instagramのストーリー機能は2017年から使えるようになった機能で、24時間で削除される15秒ほどの動画を投稿することができます。またストーリーの投稿は「誰が見た」のか分かることも特徴です。
つまり「すぐに消える&友達しか見ていない」という、危機感を持ちにくい構造から、いたずらや面白半分の動画を投稿しやすいのかもしれません。
気をつけるのは、アルバイトスタッフだけではない?
昨年12月、お笑い芸人が酔っ払った状態で動画配信を行い、その時の「暴言」が問題となりました。
この時のライブ配信は、Instagramのライブ機能を使ったものでした。先ほどのストーリーと同じく、すぐに消えることに加え、ファンしか見ていないという状況の下、酔っ払っていたことで気が緩み、暴言が飛び出たのでしょう。
また、政治家が支持者向けの講演会で失言したこともよく問題となりますが、あれも「ここだけの話」「支持者しかいない」という危機感の無さから、失言が飛び出るのだと思います。
今回問題となっている行動は、いずれも若いアルバイトスタッフによるものです。しかしながら身内だけの環境で危機感がなくなると、アルバイトスタッフだろうが、年と経験を重ねた政治家だろうが、非常識な言動が出やすくなるということです。
こうした一連の騒動も「自分なら」と危機意識をもった行動につなげて、炎上しないようネットと付き合いましょう。
琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」2月17日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。
親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。