じゅうじゅうと焼ける肉に、スパイシーなカレーの香り、色鮮やかな果物入りのスイーツ・・・。8月20日、那覇市のかりゆしアーバンリゾート那覇横の広場に、大規模な屋台村が突如現れた。屋台村の正体は「OKINAWA FOOD FLEA(オキナワ・フード・フレア)」。いま注目を集めている「食の祭典」、まさに「食の野外フェス」だ。さまざまな料理が一度に楽しめる大人気イベントの「食レポ」と、主催者代表の石井雄一郎さんの思いを紹介します!
集まった店はおよそ30店舗で、タイ料理、タコス、オーガニックフードなどジャンルもさまざま。おいしいものに目がない筆者も、ずっと楽しみにしてきたイベントだ。「取材」と称して、おいしいものを探して場内を練り歩く。
炭火で焼かれたバーベキューの
お肉も捨てがたいし
さっきすれ違った子どもが持っていた
フルーツ入りアイスキャンデーも気になる・・・。
ひとまず、一番人が並んでいた
(ように見える)ピッツアを購入。
お土産用に燻製されたチキンとてびちの炭火焼もゲットした。ピッツアはパリパリ&もちもちの生地に、とろりとしたモッツアレラチーズがよく合う!味付けはトマトソースとバジルのシンプルなものだけに、生地の美味しさが存分に味わえる。燻製されたチキンもジューシー、てびちもトロトロ・皮パリパリで絶品だった。
それにしても、全体的に普通のお祭りの屋台よりも少し価格設定が強気だ。それもそのはず、出店はボリューム満点のハンバーガーでおなじみの「キャプテンカンガルー」や、本格的ピッツアで知られる「バカール」などをはじめとする、県内屈指の人気店ばかりだ。各店とも素材や調理法にこだわり、自慢の一品を出している。提供される料理を食べれば、その価格にもうなずける。
友人数人で来たという島袋夏紀さん(28=沖縄市)は、生ビール片手に牛スジ煮込みをほおばりご満悦の様子。「ここに来れば新しいお店が発見できるのが楽しい」と、笑顔。玉城陽平さん(25=八重瀬町)は、本格派ハンバーガーの食べ歩きを目当てに来場したという。「県内の有名どころの店が集まるので楽しみにしていた」と話した。
「おいしい」と「楽しい」が融合する「「OKINAWA FOOD FLEA(オキナワ・フード・フレア)」。次回開催はまだ未定だが、11月開催を目指しているそう。気になる人はフェイスブックページを要チェック!
OKINAWA FOOD FLEAのFacebookはこちら
https://www.facebook.com/okinawafoodflea/
目指すは、「食のまちづくり」
主催者の代表を務める石井雄一郎さん(39)は「みんなが欲しがっていたイベントだと思う」と胸を張る。「出店者もそれぞれジャンルは違うけど、本気で料理に取り組んでいる人たち。そんな職人が一堂に会することで、とても豪華なレストランになる。さまざまな料理の中から自分が好きなものを選べる楽しさがある」と語った。
食を通した「まちづくりがしたい」。そんな石井さんの思いから始まった「OKINAWA FOOD FLEA(オキナワ・フード・フレア)」。自身も北谷町にある焼き鳥の名店「月と器」のオーナーである石井さんが「こんなお店が一堂に集まったらいいな」と、出店してほしい各地の飲食店を直接訪ね、味を確かめ、趣旨に賛同した23店舗が集まり、2014年8月に北谷町で初開催した。
当初は「1500人くらいの来場を見込んでいたイベント」だったが、ふたを開けると2日間で1万1千人が訪れる盛況ぶりだった。
広報はFacebookのみ!
年4回を目標に、宜野湾市や北谷町で開催を続けてきたイベント。回を重ねるごとに、来場者、出店者ともに増加。2015年11月の開催では、1万5~6000人が来場した。広報はFacebookのみだが、日本語と英語で丁寧に情報を発信している。
「周囲から『2万人は来た』という声もあった。台風で2度開催が延期になったせいもあり、期待度がすごく高まっていたと思う。オープン前からすごい行列で、3時間待ちの店もあった」という。出店者同士でミーティングを重ね、運営方法も改善、進化を続けている。
3回目以降は出店者の募集も始めたが、応募する誰もが出店できるわけではない。「その店のコンセプトや料理への思いをきちんと書いて送ってくれた店を実際に訪問し、食べて、選ぶ」と、「食」への思いやこだわりに共感する出店者の輪が広がった。イベントで食べた お客さんがちゃんと店に来てくれ、ファンになってくれる好循環が生み出されている。
今後は「名護でも開催したい! 沖縄中を回りたい!」
今後について、「年に4回、宜野湾をメーンに、沖縄中を回って開催したい」という石井さん。今回、初めての那覇開催もあいにくの天気に関わらず約7000人が来場した。
「次は名護でも開催したい。僕らのイベントを楽しむ人を増やしていきたい」と明るく語る石井さん。
「自分が動けば物事は変わる。やってみることで新しい世界が見えてくる。失敗はない。楽しむことが大好き」というポジティブパワーを原動力に、食のまちづくりが広がっているようだ。