最新の出演2作に自信
沖縄県うるま市出身の女優・比嘉愛未(31)が今夏にテレビドラマと映画に出演する。2005年の映画「ニライカナイからの手紙」で女優デビューし、07年にはNHK朝の連続テレビ小説「どんど晴れ」で主演を務めた。その後も幅広い役柄を演じ、舞台などにも活躍の場を広げている。最新の出演作品について話を聞いた。(聞き手・藤村謙吾、写真・又吉康秀)
―NHKの土曜ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」で「天才バカボン」の作者・赤塚不二夫の2番目の妻・眞知子を演じる。
「プロデューサーは朝ドラの時と同じ方で、ずっとこういう話を作りたいと聞いていた。私も参加したいと思っていたので、始まる前から、気心の知れたスタッフと作品を作れることが楽しみだった。ちょっと変わった家族の痛快でポロッと泣けるホームドラマに仕上がっていると思う」
「赤塚さんは本当に破天荒な方だったらしい。女性が大好きで、最初の奥さん(登茂子)も大目にみていたが、やがて別れてしまう。だけど2人はつながっている。その後、赤塚は眞知子とお付き合いをするが、なかなか結婚しない。すると前妻の登茂子が2人をつなげてくれる。普通だったら有り得ない。仲の良い変わった家族が出来上がったみたいで、演じていても楽しかった。それができるのも赤塚さんだからこそだ。天才で人から愛され、尊敬されてきた人だからこそ、みんながこの人のためだったらしょうがないと、まとまっていく。タイトル通り、バカばかりだが最後は芯のある、考えさせられるような温かい作品になったと思う」
―登茂子役の長谷川京子さんと共演した感想は。
「演技プランの打ち合わせなどは特にしなかった。衛星放送のドラマでもご一緒していたので、自然に作品作りができた。作品との出合いもそうだが、人との出会いも相性がある。女性として、女優としてすごく輝いていて尊敬している」
―赤塚不二夫役の玉山鉄二さんの印象は。
「今回初めて共演したが、座長として周りを引っ張ってくれるような力強さもあり、情熱的で心が熱い方だった。まさに赤塚さんのイメージにぴったり。クールな二枚目のイメージがあるが、全部払拭(ふっしょく)して新しい玉山さんの役柄が見られると思う。いろいろなアドリブもあり、楽しませてもらった」
「コードブルー」は私の大きな宝物
―2008年に始まったドラマ「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~」が今夏映画化され、ドラマに続きフライトナースの冴島はるか役で出演する。
「『コード・ブルー』は色恋沙汰だけに偏らず、一人一人が自分の仕事を全うしようと葛藤したり、悩んで苦しんだりして答えを見つけていく姿が共感を呼び、視聴者に支持されたと思う。ドラマでは出演者それぞれの成長を描いてきた。映画ではその先の姿が見られるはずだ。冴島たちは映画でも、人の命と向き合う。発生した大事故にどう挑むのか。映画は編集中でまだ見ていないが、現場の空気感で絶対これは間違いない作品だと自信を持っている」
―「コード・ブルー」は比嘉さんにとってどんな作品か。
「10年前に始まった作品でこれだけ同じ役を同じキャストとスタッフで続けてこられることはなかなかないので、私にとっても大きな宝物だ。終わってほしくないが、それを超えるように自分ももっと成長し、新しい役や作品に挑んでいきたい」
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比嘉愛未が出演するNHK土曜ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」は30日開始予定(全5回)。
「劇場版 コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~」は7月27日より全国ロードショー。 (㊦は15日掲載)