県出身の歌手・安室奈美恵が引退する9月16日まで残り1カ月を切った。デビューから25年にわたる輝かしいアーティスト活動は国内外の人々を魅了し、勇気や希望を与えた。そのような安室の姿を同じ沖縄出身の俳優、アーティストらはどのように見詰めてきたのか。
―安室奈美恵さんの引退表明を聞いてどう感じたか。
仲宗根泉:えーって思った。サザンオールスターズや小田和正さんみたいに年を重ねて音楽活動を続けている方々がいる中で、安室さんのような方がやめる理由は何だろうって最初は感じた。
名嘉俊:自分たちはできるだけ音楽活動を続けたい。何歳までと決めて活動するのはすごいことだと思う。でも安室さんはダンサーだから、自分たちが見ている以上に限界を感じていたのかなと思った。
―安室さんの魅力は。
名嘉:ジブラさんや平井堅さんなど、ジャンルを超えてコラボして歌っているところはすごいと感じる。
許田信介:MCなしでライブを繰り広げるところはびっくりする。HYがいきなりトークなしでやったら「どうした?」ってなる。
宮里悠平:自分たちがMCなしでやると1時間で終わってしまう(笑)。
―安室さんの思い出の曲は。
仲宗根:「SWEET 19 BLUES」。メロディーが好きだった。当時は子どもだったから、早く19歳になりたいと思った。19歳になったら大人っぽい歌詞の意味も分かるのかなって(笑)。
―引退前日、沖縄でライブをすることが決まった。
新里英之:比べていいのか分からないが、HYもツアーの最初や最後には必ず生まれ育った場所でやらないと締まらない。(安室さんが)沖縄で最後を飾らないと寂しいとみんな思っていたと思う。
名嘉:沖縄のことが好きなんだなと伝わった。25周年記念ライブも沖縄で開催し、沖縄サミットの時にも歌ってくれた。自分たちが沖縄のことを母のような存在だと感じるように、安室さんも自分たちが想像する以上に沖縄を思っているのではないか。
―引退までに安室さんにしてほしいことはあるか。
許田:いつもきれいな姿で言葉もなまらないが、素の表情や会話を見てみたいなと思う(笑)。
仲宗根:女優の比嘉愛未さんにお会いした時、自然に沖縄のなまりが出ていてとてもうれしくなった。安室さんもぜひ聞いてみたい。沖縄のCMに出演してうちなーぐちをたくさん使ってほしい。
名嘉:安室さんをこの先も見ていたいなって自分もみんなも思っているから寂しさを感じる。違う形でもいいので、また何かに出てほしいと思う。
(毎週金曜日掲載)
HY 2000年結成。新里英之(ボーカル・ギター)、名嘉俊(ドラム)、許田信介(ベース)、仲宗根泉(キーボード・ボーカル)、宮里悠平(ギター)からなる。03年、アルバム「Street Story」でインディーズとして史上初のオリコンチャート初登場で4週連続1位となり、ミリオンセラーになった。以後11枚のアルバムを製作し、累計500万枚に到達している。
琉球新報社は、安室さんにまつわる皆さんの思い出やエピソードを募集しています。「あの時、この曲に励まされた」など、皆さんの人生のさまざまな場面に寄り添った安室さんの曲にまつわる話をお寄せください。メールのみで受け付けます。メールには(1)名前(2)連絡先(電話番号かメールアドレス)(3)エピソード―を記してください。お寄せいただいた話の中で、あらためて取材の協力をお願いする場合もあります。メールアドレスは0916omoide@ryukyushimpo.co.jp