大型連休に新型コロナウイルスが沖縄でさらに広まっていないかと、心配でたまりませんでした。美ら海水族館のHPからダウンロードして、お魚のモビールを作ってみたり、やーぐまい映画祭で映画を見たり。沖縄に思いをはせています。こんなにも沖縄を遠くに感じるなんて。
神奈川県にある私の家の周りでは、連休は公園もスーパーも、いつも以上に混んでいて、ソーシャルディスタンスが保(たも)てません。ベランダにホットプレートを置いてバーベキューをしたり、お菓子作りをしたり。しかし子どもの楽しみに付き合うだけでは物足りない、楽しくないのです。子どもを寝かせた後、東京都内に住む友だちとLINE動画で話しながら「この時期、一緒に高知県土佐久礼の大正町市場に行ったよね。旬のカツオのたたき、最高においしかった。食べたいねー」と盛り上がり、「一緒に頼んじゃう?」となりました。「どれにする? やっぱり塩とニンニクもついていた方がいいよね」と話しながら、同じ店に同じものを同時に注文。2日後にはお互いの家に新鮮なたたきが到着! お酒を用意し、LINE動画をしながら、画面越しに一緒にたたきを食べました。もう最高! 好きな人とおいしいものを食べる幸せ。ドラえもんが大好きな息子が画面越しの友だちに「チーズを食べる? どこでもドアがあったら届けられるのにね」と話していたら、友だちが冷蔵庫からチーズを出してきて「届いたよ」と大笑い。こんなにワクワクして、笑ったのは久しぶりでした。免疫力もグッと上がったことでしょう。次回は、沖縄県外に住む沖縄出身の友だちと、沖縄のおいしいものをお取り寄せしてパーティーをしたいです。

逃げ場がない毎日で、「四六時中、子どもに合わせた生活が嫌だ」と思っていましたが、今回のたたきパーティーでは大きな発見が! 用事もないけれど友だちとダラダラとおしゃべりすることで、新しい楽しみが見つかり、人とつながることはすごいと実感したのです。
不安が尽きなく、孤独になりがちだからこそ、あえて友だちに連絡してみるのもいいですね。「こんな生活は嫌だ」「コロナのばかやろう」と友だちと一緒に愚痴ったり、怒ったりしながらも、新たな楽しみを見つけていきましょう。持病があっても、病気をコントロールし健康管理ができていたら、コロナにかかっても重症化しにくいそうです。手をこまめに洗って、人混みは避け、電話でおしゃべりしながら、自己管理していきましょう。
(次回は5月26日)
伊是名夏子
いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。
(2020年5月12日 琉球新報掲載)